2011 Fiscal Year Annual Research Report
HLA-DP5-DR53関連疾病のゲノム・免疫学的解析
Project Area | HLA polymorphism, disease and evolution |
Project/Area Number |
22133009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別主幹教授 (50014121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 匡史 国立国際医療研究センター, 研究所, 室長 (00333790)
野田 光彦 国立国際医療研究センター, 戸山病院, 糖尿病・代謝症候群診療部長 (90237850)
岡村 建 九州大学, 医学研究院, 名誉教授 (90150432)
田中 芳彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (00398083)
森 晶夫 独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター, 先端技術開発研究部, 研究部長 (80251247)
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Keywords | HLA / 自己免疫性甲状腺炎 / スギ花粉症 / DP5 |
Research Abstract |
平成23年度は以下の成果を得た。 1)患者登録 自己免疫性甲状腺炎(AITD)およびスギ花粉症患者を検体を収集する5機関において臨床研究,ゲノム解析倫理審査承認を得た上で患者登録を継続した。これまでに,AITD323例,スギ花粉症154名の登録を終え,臨床検査(甲状腺機能,花粉症関連検査)ならびにゲノム解析(NLA遺伝子型および疾患関連遺伝子多型)を進めた。患者登録は継続して行われており,25年度までの4年間でそれぞれ約500名を目指す。 2)グレーブス病と相関するHLAの同定 既にHLA型が判明している罹患者を対象として相関解析を実施し,PPB1*0501とグヒーブス病の有意な相関を再確認した。さらに日本人で頻度の高い2ハプロタイプがグレーブス病の抵抗性を規定している可能性が示された。 3)HLA-DP5,DR53とスギ花粉抗原ペプチド複合体立体構造の解明 HLA-DP5およびDR53をコードするcDNAを調整し,AO2横山計画班との連携のもと実験を進め,無細胞系でのタンパク複合体精製を終了し、DP5とスギ花粉症抗原ペプチドとの複合体立体構造を解明した。 4)HLA-DP5トランスジェニックマウスの樹立 HLA-DP5α鎖およびβ鎖を別々に発現するトランスジェニックマウスを樹立した。これらについて交配を実施しDP5分子が発現するトランスジェニックマウスの確立を継続している。 5)スギ花粉特異的T細胞免疫応答の解析 花粉飛散期のスギ花粉症患者未梢血リンパ球を使用し、T細胞株の樹立を進めている。クローン取得後T細胞受容体遺伝子を単離し、HLA・ペプチド・TCR複合体の立体構造解析へと展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・患者登録が進み、時系列に沿った臨床情報の収集、検査結果の取得、ゲノム情報の取得が順調に進んでいる。 ・DP5とスギ花粉症の立体構造力潔明された。
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Strategy for Future Research Activity |
患者登録を予定通りに進め、ゲノム解析結果と照らし合わせた解析を実施する。これにより、HLAおよび非HLAによる病態形成機序の理解が深まる。立体構造解明が終了したので、これに基づいた免疫制御のための低分子化合物開発へと研究を展開する。そのための、ヒト免疫応答解析手法、モデルマウスでの免疫応答解析システムを早急に確立する。
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Research Products
(3 results)