2010 Fiscal Year Annual Research Report
治療によって修飾されるがんのゲノミクス解析とバイオマーカー探索
Project Area | Integrative Systems Understanding of Cancer for Advanced Diagnosis, Therapy and Prevention |
Project/Area Number |
22134003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 俊平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50418638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 大地 東京大学, 医学部付属病院, 助教 (30585500)
|
Keywords | がん / ゲノミクス / 治療薬 / バイオマーカー |
Research Abstract |
抗腫瘍薬の効果・有害事象に関わるバイオマーカー探索は、通常は市販後ある程度の時間が経過し臨床情報や検体を収集することによって為されるのが通常である。特にSNPによる関連解析の様に全ゲノムレベルでの探索を行う場合は、その解析に多くの検体の収集が必要であり、臨床開発早期におけるバイオマーカーの同定とそれを用いた柔軟な治験プロトコールの改定には必ずしも直結しないことが多い。 薬剤のメカニズムや関連するバイオマーカーは前臨床試験の段階である程度想定されてはいるが、特に低分子化合物の場合は予期せぬ作用や代謝系の存在により事前の効果的な層別化が困難で治験を脱落する場合が多い。一部の分子標的治療薬を除いた新世代の低分子化合物、例えばマルチキナーゼ阻害剤・エピゲノム修飾酵素阻害剤などは抗腫瘍性効果の重要標的が必ずしも明確ではなく、効果的なバイオマーカーが同定されていない。またこれらの中には抗腫瘍機序が当初in vitroで生化学的に同定されていた結合分子と大きく違っていたという例も見られる。 一方で並列型シーケンシング技術の発達により、腫瘍における塩基レベルでの体細胞変異・異常トランスクリプト・エピゲノム異常等が全ゲノムスケールで同定可能となっている。本計画研究では主に培養細胞株や移植腫瘍株から比較的世代の新しい抗腫瘍薬・臨床開発中の新薬を対象に系統的に耐性株を樹立し、耐性獲得過程におけるダイナミックなゲノミクス解析を並列型シーケンサーを用いて行うことにより、治療薬のバイオマーカーとなり得る抗腫瘍活性に重要な標的分子・代謝酵素等を探索することを目的とする。本年度は複数の抗腫瘍薬について耐性株樹立を開始し、薬剤耐性の評価に関わる周辺技術の開発を行った。
|
Research Products
(4 results)