2010 Fiscal Year Annual Research Report
SNPアレイ解析に基づく癌の個性の理解と分子標的の探索
Project Area | Integrative Systems Understanding of Cancer for Advanced Diagnosis, Therapy and Prevention |
Project/Area Number |
22134006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60292900)
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Keywords | がんゲノム / SNPアレイ / リシーケンス / 癌の個性 / 分子標的 |
Research Abstract |
(1)高密度SNPアレイを用いたがんのゲノムコピー数異常の解析 腎細胞癌(300例)、精巣腫瘍(20例)、腎盂尿管癌(50例)、脳腫瘍(300例)、liopsarcoma(20例)、Ewing肉腫(60例)、眼内悪性リンパ腫(50例)、その他造血器腫瘍を含む約800例の腫瘍について高密度SNPアレイを用いたゲノムコピー数異常およびアレル不均衡の解析を行いこれらの腫瘍に特徴的なゲノム異常の同定を行った。また、コピー数異常によって変異をうける遺伝子標的の同定を行った。 (2)全エクソンリシーケンスとターゲットリシーケンス 代表的な造血器腫瘍の一つである骨髄異形成症候群(MDS)および関連骨髄系腫瘍160例について、多段階発がんによるその発症メカニズムを明らかにすることを目的として、既知の標的遺伝子および標的遺伝子の候補を含む80遺伝子について網羅的な変異解析を行った。すなわち、各検体のゲノムDNAより液相ハイブリダイゼーションを用いて標的遺伝子のエクソン配列を濃縮し、検体識別のための6塩基のバーコード配列を付加したのち、Illumina社GAIIxで解析することにより、変異解析を行った。その結果、従来報告のなかった未知の遺伝子を含む50種類の遺伝子に計396個の遺伝子変異が同定され、既存のSNPアレイによるコピー数異常のデータと併せて、MDSおよび関連疾患における遺伝子変異のゲノムワイドな様式が明らかとなった。また、MDSにおいては、MDS修復に関わる遺伝子の変異が多数の症例において認められることが明らかとなった。今後これらの症例セットについて、全エクソンを標的としたより包括的な変異解析により、MDSおよび関連疾患における変異様式の全貌の解明を進める予定である。
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Research Products
(4 results)