2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞モデルに基づく臓器モデル記述系と並列実行系に関する研究
Project Area | Establishment of Integrative Multi-level Systems Biology and its Applications |
Project/Area Number |
22136004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
天野 晃 立命館大学, 生命科学部, 教授 (60252491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋吉 隆夫 (財)京都高度技術研究所, 研究部, 副主任研究員 (60373510)
國枝 義敏 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90153311)
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Keywords | 生体生命情報学 / 細胞モデル / モデル記述言語 / 心臓モデル / 自動並列化 |
Research Abstract |
平成22年度は、まず、臓器モデルの記述系の検討を行った。特に心臓の興奮伝播の計算方式について調査し、これらの方式を記述可能な言語の第1バージョンを設計した。しかしながら、汎用性の点で必ずしも記述能力が十分でないことがわかったので、引き続き改良を行うこととした。次に、臓器モデルにおける細胞モデルの記述系として、細胞生理学モデル記述言語としてデファクトスタンダードになっているCellMLについて、時間発展計算を行う計算プログラムを自動生成するシステムを実現した。このシステムでは、様々な時間発展計算方式として、陽的オイラー、改良オイラー、陽的ルンゲクッタ、陰的ルンゲクッタなどの方式を記述可能であり、これらの計算を行うプログラムを自動生成可能である。このような時間発展計算法を記述できるシステムは、電気生理学と構造力学、あるいは流体力学等の連成シミュレーションを行う場合に、複雑な連成アルゴリズムを記述する基盤になり、大規模臓器シミュレーションで必須となる様々な連成アルゴリズムの記述と評価が劇的に効率化されることになる。最後に、臓器モデルの並列計算システムとして、上記のCellMLを用いた時間発展計算プログラムを生成するシステムについて、単純な1次元ケーブルを用いた興奮伝播計算を行うシステムを実装した。このシステムは、近年注目が集まっているGPGPUを利用した並列計算プログラムを自動生成可能であり、単一CPUを用いた計算との比較で、単一GPGPUを利用したシステムは約70倍の速度が実現可能なことを確認できた。
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