2010 Fiscal Year Annual Research Report
小分子生体内挙動を制御する因子の組織・臓器階層における網羅的解析
Project Area | Establishment of Integrative Multi-level Systems Biology and its Applications |
Project/Area Number |
22136014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60155463)
内田 康雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70583590)
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Keywords | 質量分析 / タンパク質 / 定量プロテオミクス / 代謝酵素 / 絶対量 / CYP / UGT |
Research Abstract |
本研究では、独自開発技術である質量分析を用いたMultiplexed-MRM法により得られる絶対発現量情報を基盤として、生体システム再構築のためのタンパク質の発現量、活性、局在の新たな定量解析技術の開発し、開発技術によって得られる情報を元にしてモデル解析によって各分子の小分子生体内挙動への寄与を明らかにし、制御に関わる各階層の決定要因を解明することを目的とする。平成22年度はMultiplexed-MRMによるタンパク質絶対定量系を構築する独自技術を利用してCYP及びUGT代謝酵素の定量用ペプチドをアミノ酸配列から選択し、安定同位体標識ペプチドを合成し、絶対発現量を一斉に定量する系を構築した。確立した系を用いてヒト肝臓ミクロソームを計測した結果、充分な感度で代謝酵素の絶対発現量を定量できることを明らかにした。さらに複数のヒト肝臓ミクロソームを計測し、各代謝酵素の発現量の絶対値を明らかにした。各CYP代謝酵素の活性を反映するマーカー化合物に対する代謝活性とタンパク質の発現量の絶対値を比較した結果、多くの分子でタンパク質発現量と活性の間にいい相関性があることが明らかとなった。従って、CYP代謝酵素のタンパク質発現量は活性の良い指標となることが示唆された。ただし、一部の分子については相関が良くない分子や切片が0とならない分子が存在した。これらは、化合物が選択的でない可能性や不活性型の分子の存在め可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)