2010 Fiscal Year Annual Research Report
臓器間協関で統合される生体システムによる小分子挙動制御の解析
Project Area | Establishment of Integrative Multi-level Systems Biology and its Applications |
Project/Area Number |
22136015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 拓司 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20313728)
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Keywords | 生理学 / 情報工学 / 生体分子 / 発現制御 / 薬剤反応性 / 薬物代謝酵素 / 薬物輸送担体 / 内因性小分子 |
Research Abstract |
本新学術領域「統合的多階層生体機能学領域の確立とその応用」では、「生命の多階層性」を踏まえ、高度な複雑系としての生体機能のシステムを、統合的に理解する新たな学術領域を世界に先駆けて創生することを目的としている。生体機能には多臓器間の相互作用によって発現するものが多く存在し、その一例として糖や脂質、ホルモンなどの小分子血中濃度のホメオスタシス維持が挙げられる。本A03項目では、生存に必須なこの生体高次機能に特に焦点を絞り、血流による連結を考慮した多臓器連関モデルからトップダウンに、組織・細胞・分子階層へと、階層間を繋いで統合的モデルへと発展させるアプローチを用いて、全体像のシステム的理解を目指す。平成22年度は、A03-3大槻チームとも連携しながら、高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析装置を用いた包括的質量分析手法によって、各ミクロソーム中の薬物代謝酵素発現量の精密な定量手法の確立を行った。また、薬物の影響によって生体システムの状態が遷移し、また生体システムの状態遷移に伴って薬物自身の生体内挙動も変動する、という相互作用の定量的な記述を行うために必要な、転写因子の定量系の確立を試みた。現在までのところPXR,CAR,HNF4αなど6種類の核内受容体に関して定量系の確立を行っている。また文献情報の網羅的調査に基づいて、薬物代謝酵素・薬物輸送分子の発現量を制御している核内受容体ネットワークの構造記述を行っている。
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