2022 Fiscal Year Annual Research Report
アプタマー生物学による神経炎症をトリガーとした神経細胞死からの細胞保護機構の解析
Project Area | Creation of aptameric biology |
Project/Area Number |
22H05037
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
橋本 翔子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員研究員 (50632890)
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Project Period (FY) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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Keywords | 神経細胞死 / 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患における神経細胞死誘導において、神経炎症の関与が重要視されている。神経炎症と神経変性をつなぐ因子として、CAPON(C-terminal PDZ ligand of nNOS)が同定された。CAPONは、神経炎症下において錐体細胞内に蓄積され、nNOS(neuronal nitric oxide synthase)との相互作用が亢進されることで神経細胞死を誘導すると考えられる。一方で、相互作用がどの程度まで亢進すると神経細胞死に至るのか、また、低レベルの相互作用下においてどのように細胞死を防いでいるのかはそのメカニズムは不明である。本研究では、神経炎症下においてCAPON-nNOSの相互作用を活性化する機構を明らかにするとともに、CAPON-nNOS相互作用を制御するアプタマーを駆使してCAPON-nNOS相互作用による細胞死を抑制するガーディアン分子・機構を解明する。2022年度は、1.CAPONノックアウトマウスを用いた遺伝子発現プロファイリングにより、CAPONがかかわる細胞死誘導機構の解析。2.CAPON-nNOS相互作用を制御するアプタマーのスクリーニングに用いる培養細胞による評価系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CAPONが神経細胞死誘導に関与していることを明らかにしている。しかし、CAPONがどのような遺伝子発現誘導に関与してするのかはほとんどわかっていない。そこで、single cell RNA-seqによる遺伝子発現プロファイリングにより、CAPONがどのような遺伝子発現に関わるのかを解析した。現在、データ解析中である。 CAPON-nNOSの相互作用を自在に操るためのアプタマー開発を行う。アプタマーの効果を細胞系で評価するため、CAPON-nNOSの相互作用を評価するための細胞系の構築を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
初代培養神経細胞を用いて、CAPONによる細胞死誘導機構の解析を行う。Single cell RNA-seqの結果と照らし合わせることで、CAPONがどのような遺伝子発現に関わることで細胞死誘導をするのかを解明する。 CAPON-nNOSの相互作用を制御するアプタマーを細胞へ導入し、導入細胞における遺伝子発現を解析する。nNOSとの相互作用がCAPONによる細胞死誘導に関わるのか否か、細胞死を誘導/抑制するのかを明らかにする。
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Research Products
(1 results)