2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経系疾患発症に紐づく間質性細胞間クロストークの包括的理解
Project Area | Interstitial literacy: Integrated understanding of disease pathogenesis based on interstitial cell diversity. |
Project/Area Number |
22H05062
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80615287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石亀 晴道 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (70729227)
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Project Period (FY) |
2022-05-20 – 2025-03-31
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Keywords | 脳境界マクロファージ / ミクログリア / 中枢神経系疾患 / 遺伝子改変マウス / 間質性細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳を含む中枢神経系組織は、実質細胞である神経の周囲にグリア細胞、血管系細胞、免疫系細胞、線維芽細胞といった多種多様な間質性細胞が規則正しく導入され、全身機能を統括する中核組織として機能する。一方、末梢神経系組織内に張り巡らされた神経は、各組織の主要細胞の機能を支える間質性細胞へとその役割を変え、他の間質性細胞と共に組織の正常機能を維持するために重要な役割を担っていると考えられる。そのため、神経系における間質性細胞の機能異常は、実質細胞の機能変容へと直結し、結果として神経系疾患発症に至るものと想定される。本研究では、中枢および末梢神経系組織における間質性細胞の包括的解析を介して各細胞種の遺伝子発現プロファイル、多様性、相互作用、ならびに各種病態発症に繋がる機能的揺らぎを明らかにすることを目的とした野心的な研究計画に取り組んでいる。 本年度は、各種間質性細胞に関する基盤情報を確立し、間質性細胞間のクロストークが実質細胞の機能に与える影響を明確にする神経系間質リテラシーの確立に向けた足掛かりとして、各種脳内間質性細胞を単離回収する技術の確立に成功した。また確立した技術を用いて、脳内から様々な間質性細胞を回収し、シングルセルRNA-seq解析を行い、標的細胞内に存在する多様性を明確に示すことにも成功した。今後は、これらの技術を用いて、脳内間質性細胞の時空間的な分布動態や発生起源、遺伝子発現プロファイル・多様性に関する詳細な解析を始め、正常発達期や中枢神経系疾患発症時に生じることが考えられる間質性細胞間相互作用の変容を正確に捉え、疾患発症メカニズムの解明に向けた足掛かりにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画を概ね実行し、非常に良好な結果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度確立した技術をもとにして、脳内間質性細胞の時空間的な分布動態や遺伝子発現プロファイル、ならびに多様性に関する詳細な解析を進め、まずは脳内の間質性細胞間相互作用を正確に捉えると共に、その変容を切り口とした中枢神経系疾患発症メカニズムの解明に向けた足掛かりにする。
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Research Products
(16 results)