2022 Fiscal Year Annual Research Report
Enhancing the diversity of peptides by amino acids with reactive functional groups
Project Area | Systems biosynthetics based on accumulation, prediction, and creation of biological reactions |
Project/Area Number |
22H05130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝山 陽平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50646437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 泰志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20732986)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Keywords | ジアゾ基 / 亜硝酸 / 生合成 / 放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジアゾ基合成酵素をもつ生合成遺伝子クラスターの解析を複数試み、そのうちの一つを異種発現した結果、クマル酸が生産されることが確認された。また、これらの遺伝子を破壊などにより解析した結果、この経路においてクマル酸が3-amino-4-hydroxybenzoic acidから作られた、3-amino-4-coumaric acidを前駆体とすることが示された。この化合物のジアゾ基がジアゾ化酵素によりジアゾ化されたのちに、生じたジアゾ基が還元酵素によって還元されることで、この化合物が合成される。このとき見つかったジアゾ基合成酵素CmaA6は極めて収率が高く、ジアゾ基合成反応を理解する上で、極めて有用な研究対象である。この酵素を用いることで、ジアゾ基還元酵素の速度論解析も実施することができ、その酵素機能の理解が進んだ。また、蛍光プローブを利用したジアゾ基含有化合物認識酵素のスクリーニング法の開発を目指した。その結果、フルオロセインと環状アルキンを利用した検出系の確率に成功した。これにより、アシルキャリアータンパク質に結合した、ジアゾ基含有化合物をゲルろかにより粗精製したのちに、ラベル化することで簡単に検出する方法が開発できた。簡単なモデル系によるスクリーニングを試みた結果、ある程度のレベルで活性を検出することが可能であったが、ハイスループットな系の開発にはさらなる検討が必要である。また、芳香族ジアゾ基を活性メチレンを利用して簡便に検出するとともに、天然物を誘導体化する方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標通り、新たなジアゾ基合成酵素を見出すことに成功した。一方で、アルキンと蛍光プローブを用いたアッセイ系を確立することに成功したが、スループットと感度にまだ問題を抱えていた。今後さらなる検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムデータベースから見出されたジアゾ基含有化合物合成酵素群生合成遺伝子クラスターに関してさらに3~4つ程度選択し、その機能を解析することで新規ジアゾ基含有化合物の探索を試みる。また、ゲノムデータベース上に存在するジアゾ基合成酵素を10個程度クローニングし組換えタンパク質を調製するとともに、基質特異性を網羅的に解析する。基質には芳香族アミノ基を持つ化合物20種程度を用いる。これらの情報から基質特異性の寛容な酵素を探索するとともに基質認識に重要なアミノ酸を推察する。また、有望なジアゾ基合成酵素に関してはX線結晶構造解析などによる構造解析を試みる。 ポリケチド合成酵素と鉄/α-ケトグルタル酸依存イソニトリル合成酵素の遺伝子がクラスターをなしている生合成遺伝子クラスターについて、近縁の異種宿主での異種発現により引き続き解析を実施する。
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