2022 Fiscal Year Annual Research Report
Nano/macro-scale chiral structures fabricated by illumination of helical light fields
Project Area | Chiral materials science pioneered by the helicity of light |
Project/Area Number |
22H05138
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾松 孝茂 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30241938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 紘子 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (50608742)
杉山 輝樹 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (80397687)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Keywords | 光渦 / 軌道角運動量 / キラル結晶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
超螺旋光を駆使して分子からナノ微粒子までマルチ空間スケール物質のキラル秩序化を実証し、キラル秩序化の謎を光科学の立場から理解する知見を与えることである。また、展開研究である<キラル秩序の化学><らせんの工学><渦の物理学>のパイロット研究としても位置づけられる。 具体的には、超螺旋光が誘導する様々な外力を活用して、分子のキラル結晶化の鏡像体過剰率を極限まで向上させる。また、生体物質を含むナノ微粒子をキラル秩序化し、円偏光識別機能を持つ素材の開発などのバイオミメティクスへの展開を図る。さらに、超螺旋光の位相欠陥を液晶・磁性体・誘電体に転写することで、単一スキルミオンを所望の場所に生成・制御する。 光渦による鏡像異性体制御としてNaClO3分子のキラル結晶化に取り組み、鏡像体過剰率57%を達成した。また、光渦の全角運動量の絶対値を大きくするに従い、鏡像体過剰率が向上することを発見した。NaClO3は準安定相であるアキラル結晶を経て安定相であるキラル結晶に至る。光渦の角運動量がアキラル結晶に対するトルクとして働き、安定相であるキラル結晶を誘導したと考えられる。 また、単一スキルミオンを生成するため、ポアンカレ球上の全偏光状態を二次元に投影させて光スキルミオンの発生にも成功した。すでにブロッホ型、ネール型、アンチ型の多彩な光スキルミオンを発生させることに成功している。光スキルミオンのスキルミオン数は理論値である1に近い>0.9を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光渦による鏡像異性体制御としてNaClO3分子のキラル結晶化に取り組み、鏡像体過剰率57%を達成した。また、光渦の全角運動量の絶対値を大きくするに従い、鏡像体過剰率が向上することを発見した。この研究成果は、光渦の新しい応用展開が期待できる成果である。ハイインパクト学術誌Opticabに研究成果を発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
光渦の全角運動量をさらに大きくして究極の鏡像異性体過剰率を達成する。結晶化のトリガーとして金ナノ微粒子を添加して、トラッピングしているが、金ナノ微粒子の温度上昇を抑制するため、銀ナノ微粒子を使用する。 また、キラルファイバーの創成を発展させて組織工学へ展開する。
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Research Products
(12 results)