2022 Fiscal Year Annual Research Report
Chemistry of the CO world
Project Area | CO world |
Project/Area Number |
22H05153
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
北台 紀夫 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 副主任研究員 (80625723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 晃 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (00756314)
中村 龍平 東京工業大学, 地球生命研究所, 教授 (10447419)
Li Yamei 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任准教授 (10745128)
スミス エリック 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任教授 (50770468)
山本 正浩 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 研究員 (60435849)
大岡 英史 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (90825994)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一酸化炭素に富む惑星環境(CO world)下で進行する化学反応を開拓し、これらの有機的な繋がりから自己触媒作用等の堅牢性を備えた反応ネットワークを創発する。この達成により、COを含む単純な無機物から、アミノ酸・核酸塩基等の生体分子が持続的に生じる前駆代謝システムの実態解明を目指す。 初年度となる本年度ではまず、研究環境のセットアップを行った。そして、数種の生体分子をターゲットとした反応ルートの開拓及び制御に着手した。 理論研究においては、モデルとなる反応ネットワークを設定し、素過程の活性・選択性を変化させた数値シミュレーションを行った。これにより、自己触媒作用が実現する条件を探った。 実験では、多様な有機物を同定・定量するための分析機器を東工大及び海洋研究開発機構に整備した。これらを用いて、対象となる化学反応を順次調査した。具体的には、天然の電気化学反応場を模した実験にて、アミノ酸の生成・分解過程を追跡した。また、ヒスチジンなどのアミノ酸やペプチドが、硫化金属を触媒としたCO2の電気還元活性に与える影響を調査し、赤外・ラマン分光法によりメカニズムを評価した。さらに、COから生じる硫化カルボニルを利用し、アミノ酸の重合化に適した水溶液条件を探った。加えて、尿素やヒドラジンを出発物質とした核酸塩基の生成も検討した。 これらの反応ステップを連結し一連のシステムとして実証するため、多段階ステップをカスケード式に駆動できるフローリアクターを構想し、試作機を設計した。反応選択性の最大化を重視するトップダウン型においては、光と電気の作用により、CO2やSO2から有機物をシームレスに合成するリアクターを構想した。惑星環境の再現を重視するボトムアップ型については、深海熱水噴出孔に生じる発電現象を再現するフローリアクターの設計と試作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初の計画に沿って順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に沿って課題遂行を進めていく。
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Research Products
(23 results)