2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of contribution of land-source nutrients to subarctic coastal marine ecosystems
Project Area | Macro coastal oceanography: integrated simulation for the material dynamics from the land through the open ocean |
Project/Area Number |
22H05203
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
黒田 寛 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(釧路), グループ長 (30531107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 剛文 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (10533482)
白藤 徳夫 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (10553084)
中野渡 拓也 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(釧路), 主任研究員 (20400012)
鬼塚 年弘 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), グループ長 (60536051)
谷内 由貴子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(釧路), 主任研究員 (60770493)
伊佐田 智規 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (80725359)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Keywords | 亜寒帯沿岸域 / 湿原河川 / 栄養塩 / 溶存有機炭素 / 植物プランクトン / バクテリア / モニタリング / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋低次生態系シミュレーションについて、モデルと各種観測との比較、モデルのパラメーターやスキームの改変を行った。さらに1/10°格子の中規模海氷海洋結合低次生態系モデルの計算領域を北太平洋亜寒帯域へ拡大する作業を開始し、100m以下格子幅の超高解像度海洋モデルにダウンスケールした多重ネストシステム(1/10°→1/50°→1/250°→1/1250°)の開発を継続した。また、道東域を対象とする陸水モデルの開発にも着手した。現場調査については、2023年5月中旬に厚岸湖、厚岸湾、厚岸湾外陸棚域の三つの集中調査をほぼ同時期に実施し、河口から沖合へと広がる河川水の影響評価を解析するための資料を取得した。これらの調査に関連して、植物プランクトンについては、種同定分析や群集構造解析を実施し、単離株の種同定や生理特性実験に供するための培養系を確立した。バクテリアについては、厚岸周辺で海水試料を採集し、活発に増殖する細菌群集組成と湿原河川からの出水や河川水塊の分布などの環境変動とを比較可能な試料を収集した。ナガコンブについて、ハビタットモデルと成長モデルの開発を継続した。ナガコンブ成長モデルを構築するためにBOXモデルを作成して、実データを用いたシミュレーションを開始した。加えて、厚岸湾・厚岸湖周辺では、分布する生物種と海洋環境との関係を把握するために、新たに環境DNAを用いた分析を計画し、海水試料を採取・分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画通り進捗している。モデリングについては、北日本とオホーツク海域に領域を限定した1/10°格子の海氷海洋結合低次生態系モデルはすでに安定して動いており、海洋モデル単独で1/10°→1/50°→1/250°→1/1250°にダウンスケーリングする多重ネストシステムは完成し、次年度に実施する海氷モデルや低次生態系モデルを結合したダウンスケーリングの事前準備は整っている。モニタリングについては、三つの観測班に分かれて、2023年5月に厚岸湖、厚岸湾、大陸棚域周辺の集中観測に成功した。採取した生物的な試料の分析に時間を要しているが、こちらは想定内であり、次年度以降、各種植物プランクトンの単離や培養実験、細菌類を対象とする16S rRNA遺伝子のアンプリコン解析などを実施する。さらに、R5年度からナガコンブ以外の生物種情報を拡充するために環境DNAを用いた分析・解析を新たに加えた。ナガコンブのハビタットモデル(2022年度にバージョン1の論文を発表)と成長モデルの開発も計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
モデリング課題、モニタリング課題ともに年次計画に従って着実に進める。R5年度から新たな課題となった環境DNAの分析や解析には、専門的な技術を要することから、R6年度から専門性の高い研究者を研究分担者として加える。問題点は2点あり、(1)ナガコンブのハビタットモデルを構築する際、道東太平洋沿岸域全域の底質データが必要になり、このデータが公開予定であるが未だ公開されていないため、本データを利用するために関係者との協議が必要な状況である。(2)1/10°→1/50°→1/250°→1/1250°モデルにダウンスケーリングする多重ネストシステムを用いた数値計算が想定以上に計算機負荷が大きく、当初計画していた計算機のスペックではシミュレーションが円滑に進まない可能性が高いため、大学等の共同利用枠を利用して新たな計算機資源を確保する可能性を検討している。
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[Presentation] The impact of marine heatwaves on phytoplankton community changes in the subarctic coastal region of southeastern Hokkaido, Japan2023
Author(s)
Tomonori Isada, Yukiko Taniuchi, Hiromi Kasai, Tomoyuki Shikata, Uki Kawata, Willy Angraini, Shinichiro Kida, Kiyoshi Tanaka, Tomohiro Nakamura, Takeshi Yoshimura, Koji Suzuki
Organizer
The 20th International Conference on Harmful Algae (ICHA2023)
Int'l Joint Research
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