2011 Fiscal Year Annual Research Report
目撃証言の正確さを規定する要因および正確さを担保する識別・尋問方法に関する研究
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
23101006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 教授 (20147698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 聰 駿河台大学, 心理学部, 教授 (00156481)
高橋 雅延 聖心女子大学, 文学部, 教授 (10206849)
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 準教授 (00359879)
室井 みや 兵庫医科大学, 医学部, 準教授 (70339240)
伊藤 令枝 日本大学, 理工学部, 助教 (60548056)
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Keywords | 目撃証言 / 信用性 / 識別・尋問方法 / ガイドライン化 / 耳撃証 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの目的は、目撃者の記憶から正確な情報を得るための識別・尋問方法について検討し、それを社会的実装することである。本年度は、1)目撃者の記憶を得るための識別・尋問方法の研究のレビュー、2)各国における目撃者からの情報の収集の実態の調査、3)実際の識別を考慮した、システム変数を操作した実験的研究の準備、を計画した。以上の計画に対する進行状況を以下に示す。 1)研究のレビューに関しては、この領域の研究を代表する国内外の文献のデータベース構築を開始した。さらに、目撃者の信用性を規定する要因の実験結果の分類をおこなうなど、一応の進展を見た。 2)各国の調査に関しては、カリフォルニア大学のElizabeth Loftus教授とのインタビュー(法と心理の巻頭に掲載)、スエーデン・イエテボリ大学Granhag教授、オーストラリア・フリンダース大学のNeil Brewer教授とのインタビューを行い、その国の実情、研究状況を得た。さらに、イタリア、スエーデンにおける裁判の実際の視察を行った。 3)目撃者から正確な情報を引き出す方法としての識別方法および尋問方法に関する研究では、日本の実情を考慮し、過去の写真識別や尋問で問題となった要因を洗い出し、それらを実験計画に組み込む作業を進行させているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の大きな3つの柱のそれぞれが、ほぼ当初の研究誹画に従って進行している。 ただし、インタビューの先生が都合で会えないということが起こったが、代替の先生に会って情報聴取ができたので、一応(2)と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の展開としては、実際の識別を考慮した識別方法、尋問方法の開発を行うための実証的研究によるデータ取得を推進しでいく。さらに、目撃証言の正確に関わる文献のデータベース化も行っていく。また、各国の実務や研究状況の把握についても、国際学会等でそれらの領域のエキスパートと会うことができるので、そのような機会を多くとらえ、情報収集する。特に研究代表者の厳島はApplied Cognitive Psychology誌のエディターに就任したので、そういうエキスパートとの情報交換もしやすい状況が生まれた。問題点としては、警察実務家とのインタビューができても(今回、英国、スエーデンではそういう情報収集ができた)、現場での正確な情報収集は難しい。今後の検討課題である。
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Research Products
(7 results)