2015 Fiscal Year Annual Research Report
目撃証言の正確さを規定する要因および正確さを担保する識別・尋問方法に関する研究
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
23101006
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 教授 (20147698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 聰 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00156481)
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)
高橋 雅延 聖心女子大学, 文学部, 教授 (10206849)
伊藤 令枝 日本大学, 理工学部, 助教 (60548056)
室井 みや 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70339240)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 目撃供述の心理学 / 事前の知識 / 識別方法 / 凶器注目効果 / 視線解析 / 現実の事件 |
Outline of Annual Research Achievements |
目撃証言の信用性に影響する心理学的要因のうち,最終年度は目撃供述を聴取する側(つまり,捜査側)が持つ特定の容疑者についての情報や,犯人に関わる情報を所有している場合に,目撃者にそのような情報がどのように伝わり,目撃者の識別にどのような影響が出るのかを検討した。目撃者は自ら犯罪のシーン目撃するのであるが,目撃後に事情聴取を受ける。この事情聴取担当に事前に情報を与えたものと与えないものを用意し,これが一つの要因である。さらに,識別は一人だけを見せる単独面通しを使用し,また「わからない」判断もでけいるように計画し,複数回の識別にどのように影響するのかを検討した。その結果,単独面通しを使用した場合は,情報の格差による影響がうかがえないことがわかった。さらに,一度識別がなされるとその変更がむずかしいことも見出された。 この年度には,さらに凶器注目効果という,凶器の介在によって犯人の顔の記憶が低下するという現象の生起メカニズムの検討も行った。眼球運動の測定では,凶器に比較的早い段階で自動的に眼球が固定されることがあきらかになった。また,凶器と言って,実際は多様な凶器が存在する(ナイフ,ハンマー,銃,包丁・・・),そこで凶器注目効果の研究でこの効果が認められない原因の一つとして,凶器ということの定義が必要であるという結論に達し,一般の人々に凶器のイメージがどのようなものかを尋ね,その分類を試みた。結果は,凶器といっても,銃とナイフなどは異なったカテゴリーを形成することが明らかになった。 また現実の事件に関する研究としては短時間の,カーブを運転中の目撃という事態での眼球運動の測定を実際の現場を用いて測定するということを試みた。結果として,そのような事態では極めて凝視が短いことが明らかになり,長期の記憶形成ができない可能性が指摘された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)