2011 Fiscal Year Annual Research Report
犯罪者・非行少年処遇における人間科学的知見の活用に関する総合的研究
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
23101011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
石塚 伸一 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (90201318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜井 浩一 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (60373106)
赤池 一将 龍谷大学, 法学部, 教授 (30212393)
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Keywords | 実証的犯罪学 / エビデンス・ベイスト / 発達障害 / 性犯罪 / 薬物乱用 / 宗教意識 |
Research Abstract |
2011年度は、研究体制確立期の初年度であったので、研究体制を整備するとともに、総論的研究を中心に研究を進めた。また、これと併行して、近年の刑事政策における重要なトピックである4つの問題、すなわち、(1)発達障害における処遇(浜井浩一)(2)性犯罪者の処遇(赤池一将)、(3)薬物依存症者の処遇(石塚伸一)、(4)刑事施設における宗教活動(赤池一将)について調査研究を行った。 総論的研究では、(1)方法論については、研究会を開催した(4回)。新領域の全体会議(2回)、立命館大学のグループとの共同研究会(2回)、供述分析等に関する研究会(3回)などに参加した。(2)諸外国との比較については、オスロ大学犯罪学研究所を訪問し意見交換するとともに、警察大学、刑事施設、NPO等の実態を調査した(2012年3月)。(3)エビデンス・ベイスト政策〔EBP〕の導入については、津富宏教授(静岡県立大学)の協力を得て、『キャンベル共同計画介入・政策評価系統的レビュー』第6号を刊行した(2012年3月)。 各論的研究では、(1)発達障害者の処遇については、イタリアの状況を調査した(2011年9月)。(2)性犯罪者の処遇については、フランスの状況を調査するとともに(2012年2月)、同国の研究者を招いて研究会を開催した(2回)。(3)薬物依存症については、丸山泰弘講師(立正大学)の協力を得て、研究会(9回)、回復支援者養成研修セミナー(5回)、国際シンポジウムなどを主催し(2012年3月)、第16回国際犯罪学大会でセッションを主催した(2011年8月神戸)。(4)刑事施設における宗教活動については、ドイツ福音派教講師連盟年次大会に参加し(2011年5月ドイツ)、ソウルで開催されたアジア矯正フォーラムで報告した(2012年3月韓国)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度については、当初、研究開始時期が7月であったため、研究体制の整備に手間取り、個別の研究が遅滞するのではないかと考えていたが、予想以上にスムーズに研究を開始することができた。そのため、諸外国の調査及び各論的研究の個別テーマについて、海外での調査研究等が進展し、部分的には、その成果の発表も準備できた。その意味では、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
所期の予定通り、本年度中に研究体制を確立し、本プロジェクトにおける最重要課題である「総合的意識調査」の準備に入りたいと考えている。同時に、個別テーマに関する共同研究を進め、段階的かつ着実に研究成果を発表するなど、積極的に関係者の意見も聴取していきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)