2015 Fiscal Year Annual Research Report
犯罪者・非行少年処遇における人間科学的知見の活用に関する総合的研究
Project Area | Law and Human Behavior |
Project/Area Number |
23101011
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
石塚 伸一 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (90201318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 一将 龍谷大学, 法学部, 教授 (30212393)
浜井 浩一 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (60373106)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 犯罪者 / 非行少年 / EBP / 危険予測 / 処遇評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であったため、補充調査と研究成果の発表を中心に、学術論文の発表、公開研究会の開催、内外の学会における報告・セッション主催、シンポジウムの開催などを行なった。その結果、下記のような結論に達した。 【総論セクター】 日本の刑事司法実務においては、いまだ「科学的証拠に基づく政策(evidence based policy)」という思考方法自体が定着しておらず、科学証拠を、科学基準に従って審査するという方法が定着していないために、科学の成果を捜査や裁判の手段として利用する傾向が強い。政策決定者も、科学的証拠よりは、直感や印象に基づいて、政策判断をしている。【各論セクター】 犯罪者・非行少年処遇と宗教的支援は、かならずしも矛盾・対立するものではなく、「心の傷」を科学的に説明し、それを乗り越えて生きていくための「こころの成長」を支援するには、木に竹を接ぐような安易な綜合には弊害があるが、それぞれの特性を活かして、固有の役割を果たしていくためには、法制度的な保証が必要である。 【意識調査セクター】 海外では実証的調査研究が犯罪学の修得の基礎となっているにもかかわらず、日本の法学教育においては、自然科学・社会科学・人間科学などの学修が軽視されている。そのため、他の社会科学部門の研究者との交流や協働がきわめて困難な状況にある。そのため、実務家になっても、基礎知識を欠いているため、実証科学の成果が十分に理解できていない。 【結論】 日本における犯罪者・非行少年処遇においては、未だ科学化が進んでおらず、法律家の先入見と法制度の拘束から抜け出すことができていない。 犯罪者・非行少年の処遇において、法と人間科学への期待は大きい。個別分野での科学的実践を通じて、実践的科学としての犯罪学の領域に フィードバックされる諸課題を受け止めながら、法と人間科学の中に新たな犯罪学を構築していくべきである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)