2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞機能を制御する新規天然有機化合物の開拓・創製研究
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
23102006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60213253)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治疾患 / 天然物リガンド / 作用解析機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺がんは,男性ホルモン(アンドロゲン)がアンドロゲン受容体(以下AR)に結合することで悪性化することから,ARアンタゴニストが治療薬の一つとして用いられている.しかし,ARアンタゴニストの長期投与により耐性を示す変異体ARの出現が問題視されてきた.そこで我々は,構造多様性に富んだ化合物を多数生産する放線菌ライブラリーから新規ARアンタゴニストの探索を行なった.その結果,既存のARアンタゴニストの骨格とは異なる新規化合物Antarlide A-Eを取得することに成功した. Antarlide類はin vitroにおいてAR-DHTの結合阻害活性を示すが,エストロゲンとエストロゲン受容体の結合は阻害しなかった.次に,細胞レベルでもAntarlide類がARアンタゴニスト活性を示すかどうか評価した. Antarlide BはLNCaP細胞において,DHT依存的な前立腺がんマーカーであるPSA mRNAの発現とDHT依存的増殖を阻害した.続いて,既存のARアンタゴニスト耐性を克服できるか検討した.まず既存のARアンタゴニストに耐性を示す変異AR遺伝子を作成した(Flutamide耐性変異(T877A), Bicalutamide耐性変異(W741C), Enzalutamide耐性変異(F876L).次に,HEK293T細胞に野生型ARもしくは上記変異AR遺伝子発現plasmid及びreporter plasmidを発現させ,reporter assayにより既存のARアンタゴニスト耐性克服活性を評価した.その結果,Antarlide Bは第一世代のARアンタゴニスト耐性克服活性だけでなく,第二世代のARアンタゴニスト耐性に対しても克服活性を示した.以上より,Antarlide Bは第三世代のARアンタゴニストとして前立腺がん治療薬シードになり得る可能性を秘めている.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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