2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤開発を指向した新規PKCリガンドの創製と作用機構解析
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
23102011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 一浩 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00168535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 亮 香川大学, 農学部, 助教 (10598121)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発がんプロモーター / プロテインキナーゼC / アプリシアトキシン / 抗がん剤 / アプログ / ブリオスタチン / がん細胞増殖抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然の発がんプロモーター・debromoaplysiatoxin (DAT) の単純化により開発した10-Me-Aplog-1は、DATの副作用(発がん促進ならびに炎症作用)をほとんど示すことなく、DATよりも約2倍高いがん細胞増殖抑制活性をもつ(2012年度の研究成果)。10-Me-Aplog-1の39種のヒトがん細胞に対する増殖抑制のプロファイルは、既存の抗がん剤とはまったく異なっていたことから、新しい作用機構を有している可能性が高い。昨年、10-Me-Aplog-1の大量合成に成功したので、3種のがん細胞株(NCI-H460, HCC2998, HBC-4)について移植がんモデルマウスを用いたin vivoでの抗がん試験を行ったところ(5 mg/kg mouse,1回投与)、いずれにおいても有意な抗がん作用が認められた。 矢守らの確立した39種類のがん細胞パネルのうち、10種類のがん細胞株が10-Me-Aplog-1に対する感受性が高いことが判明し、これらの細胞株に対するAplog類の増殖抑制活性は、PKCアイソザイムに対する結合能(活性化能)と相関することが明らかになった。そこで、Aplog感受性株の中から肺がん由来のA549細胞を選び、10-Me-Aplog-1の増殖抑制に関与するPKCアイソザイムをsiRNAによるノックダウンによって調べたところ、PKCαを介して増殖抑制活性がもたらされていることが判明した。一方で、PKCδのノックダウンは10-Me-Aplog-1の増殖抑制活性を有意に阻害しなかった。これまで、Bryostatin 1やインゲノールエステルなどのPKCリガンドによる細胞増殖抑制は、主としてPKCδを介したアポトーシスによるものと考えられていたが、PKCαを介した機構の存在を明らかにしたのは本研究が最初である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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