2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 祥仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60282505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 建志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 准教授 (20290851)
田中 純一 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (80376699)
陣内 修 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50360566)
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Keywords | LHC / ATLAS / 超対称性粒子 / ヒッグス粒子 / 超伝導 |
Research Abstract |
23年度のLHCは7TeVで運用され、本計画研究は3つの成果をあげた。 (1)超対称性探索の結果、スカラークォーク、グルイーノ質量の下限約1TeVを得た。これは従来考えられていた「軽い超対称性粒子」の可能性を否定し、一番簡単なモデルでは、暗黒物質やnaturalnessに大きな問題が生じることが分かった。 (2)この研究で重要になるのは、消失運動量の精密な測定とバックグラウンドの評価である。消失運動量は、宇宙線など非衝突事象の効果や電子ノイズなど効果を除いて正しくもとめる方法を開発した。これはヒッグス→WW崩壊モードの研究の基礎となる重要なものである。また標準理論過程のバックグラウンドの評価を、計画研究A1,A3班と共同で行い、ヒッグスの兆候をとらえる上で大きな役割を果たした。 (3)(1)の成果をうけて、LHCでの探索を逃れる可能性を検討し、超対称性粒子が全体が縮退している場合、色荷もった超対称性粒子が重くなり電弱粒子だけが軽い場合、スカラートップが軽い場合の新しい探索モードの提案を行った。 超対称性粒子のような重い素粒子研究に加速器の性能向上は必須である。(A)将来のHE-LHCアップグレードで期待される高磁場加速器用超伝導磁石に向けた取り組みとして、従来から開発を進めてきたRHQ-Nb3Al超伝導線材のラザフォードケーブル化に成功した。さらに、このケーブルを用いて、サブスケール超伝導コイルを2台製作することに成功した。(B) LHC高輝度化アップグレードで必要となる耐放射線有機材料の開発を行った。ポリイミドとほぼ同等の耐放射線性を有しつつ、コストや加工性に優れた樹脂として、シアネートエステル、ビスマレイミドトリアジン、ビスマレイミドの3種類を選択し、ボロンフリーのガラス繊維を組み合わせた、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超対称性粒子は未だに発見されていないが、これを厳しく制限することができると同時に、本領域のもう一つの大きな目的であるヒッグス粒子の兆候をとらえた。本計画研究は、バックグラウンド評価や消失運動量の測定など、鍵となる研究をおこなった。またアップグレードにむけて準備にむけて計画通りにすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)超対称性粒子発見にむけて衝突重心エネルギーをあげる。またバックグラウンドの理解をすすめる。(2)ヒッグス粒子の確実な発見の為に、A1,A3,A4と共同でバックグランドや測定量の高精度につとめる。(3)加速器アップグレードにむけて放射線耐性をあげたプロトタイプの製作。
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Research Products
(22 results)