2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 祥仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60282505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 建志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 教授 (20290851)
陣内 修 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50360566)
田中 純一 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (80376699)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | LHC / ATLAS / 超対称性粒子 / ヒッグス粒子 / 超伝導 |
Research Abstract |
質量126GeVのヒッグス粒子がついに発見された。本領域の一つの目的が達成され、素粒子研究の40年来の問題が解決した記念すべき成果であった。 (1)本計画研究は、A1、A3、A4班と共同で、ヒッグス粒子の発見の鍵となるバックグラウンド評価や消失エネルギーの測定などを高める研究を行った。実験データ自身からバックグラウンドを評価する方法の開発、及びその不定性の評価は、本領域研究が主体となっておこなった。また、衝突頻度が上がるに従ってパイルアップが著しく増え、カロリメータの性能が悪化する。本領域研究は、トラック情報を用いてパイルアップ起源の効果を除去する方法を考案した。 (2)超対称性を初めとする標準理論を超えた新しい素粒子現象をモデルに依存しない探索を行ったが、現時点では新しい物理現状の兆候を観測するには至っていない。本計画研究の成果により、色をもった超対称性粒子(グルイーノ、スカラークォーク)が1.1TeV-1.8TeVより重いことが分かった。ヒッグス126GeVと合わせて、超対称性粒子の質量スペクトラムを考える上で、非常に大きなインパクトを与える成果であった。また、初期宇宙との整合性の高い超対称性モデルを本領域研究で新たに作り、ATLAS実験での探索を行った。モデルに依存する探索であるがハドロンコライダーで、特殊なトラック探索がさきることを示した初めての研究で高く評価された。 2022年からのLHC高輝度化アップグレードを目指して、CERNと協力してビーム分離用大口径双極超伝導磁石の開発を開始した。超伝導加速器用の新しいNb3Al超伝導線の開発を進めるとともに、Nb3Sn超伝導線を用いた高磁場磁石製作のための研究開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒッグス粒子の発見は素粒子研究40年来の重要な成果である。ヒッグス粒子の研究と超対称性探索のこれまでの成果により、これまで考えられていた質量より超対称性粒子が重いことが分かった。LHCで発見するために、新しい探索方法の開発が必要になってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)LHCは2015年から14TeVにエネルギーが大幅に増強される。この高い衝突エネルギーで速やかに新粒子を発見するための準備研究を行う。特にバックグラウンドの理解は8TeVでの成果を基に進め、モンテカルロに依存しないでデータだけで評価する方法を確立する、(2) 超伝導加速器用の新しいNb3Al超伝導線の開発を進めるとともに、他のNb3Snや高温超伝導体(HTS)などの先端超伝導線材を用いた高磁場磁石実現のための研究開発を行う。2014年度は、線材特性評価を進めるとともに、プロトタイプ磁石の製作を行い、冷却励磁試験を行う。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Development of a Nb3Al and Nb3Sn Subscale Magnet2013
Author(s)
Masami Iio, Tatsushi Nakamoto, Qingjin Xu, Norio Higashi, Toru Ogitsu, Ken-ichi Sasaki, Akio Terashima, Kiyosumi Tsuchiya, Akira Yamamoto, Akihiro Kikuchi, Takeo Takeuchi, Gianluca Sabbi, Shlomo Caspi, Paolo Ferracin, Helene Felice, Ray R. Hafalia, Alexander V. Zlobin, Emanuela Barzi, Ryuji Yamada
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Journal Title
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
Volume: 23-3
Pages: 4300605
DOI
Peer Reviewed
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