2013 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子標準模型の精密検証で探るテラスケール物理現象
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104004
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藏重 久弥 神戸大学, 学内共同利用施設等 自然科学系先端融合研究環 重点研究部, 教授 (20205181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 祐司 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00311126)
佐々木 修 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30178636)
花垣 和則 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40448072)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 素粒子実験 / 陽子・陽子衝突 / 粒子加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
LHC加速器は重心系7TeV/8TeVの陽子・陽子衝突実験を順調に行い、2012年末までに約27fb-1の積分ルミノシティのデータを取得した。本研究では、これまでのデータを用いて、標準模型を高い精度で検証し、以下のような研究成果を得た。 -7TeV 及び2.76TeVにおけるジェット生成反応の断面積測定を行い、QCD Next Leading Orderプロセスの計算結果との比較よって、陽子内部のパートン分布(PDF)決定につなげた。 -7TeVにおける WW,ZZ,2光子生成断面積測定を約10%の精度で行った。ZZの測定結果から、中性ゲージボゾン3点カップリングとして、Tevatron/LEPの測定より1桁以上小さい上限値を得た。 -ヒッグス生成事象の背景事象となる標準模型のWW,ZZ,2光子生成プロセスの評価を行い、A1班と協力して質量126GeVのヒッグス粒子の発見に貢献した。 ミューオン検出器の開発に関しては、LHCフェーズ1・アップグレードで計画されているATLASミューオン・スモール・ウィールでのMicromegas検出器の電極の構造・製造方法の開発を行った。神戸大での中性子照射テスト及びCERNでのビームテストによる検出器の性能測定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重心系7TeV/8TeVの陽子・陽子衝突実験のデータ解析が順調に進み、ヒッグス粒子性質精密測定に必要となる標準模型プロセス、すなわちジェット、2ボゾン生成反応の測定結果を得ることができた。 ミューオン検出器の開発に関しても、LHCフェーズ1・アップグレードに向けての検出器開発研究が順調に進んでいる。 但し、b-ジェット同定の解析精度向上に必要な、半導体検出器読み出しシステム製作については、研究員が転出したことによって遅れ、H26年度への人件費の繰り越しを行うことによって、4ケ月遅れで完成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度からの重心系13TeV/14TeVの陽子・陽子衝突実験に備えて、解析の準備・測定器の保守・改良を行う。 また、LHCフェーズ1・アップグレードに向けてのミューオン検出器検出器開発研究を推し進めていく。
|