2011 Fiscal Year Annual Research Report
LHCでの発見が導く次世代エネルギーフロンティアの発展
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒宮 幸男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80126060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 清以 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40183785)
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Keywords | カロリーメータ / 電子陽電リニアコライダー(LC) / MPPC / ヒッグス粒子 / 超対称性 |
Research Abstract |
平成24年7月にはLHCのATLAS及びCMS実験がヒッグス粒子を発見した。また、12月には、ILCの技術設計書が完成した。これらを受けて我が国の研究コミュニテ―である高エネンルギー物理学研究者会議は、ILCを我が国に建設し、ヒッグス粒子の詳細研究に特化した重心系エネルギー250GeVから始めて、段階的に加速器を増強し、トップクォーク、暗黒物質を担う粒子、ヒッグスの自己結合を研究するという計画を発表した。これを踏まえて、本研究課題においてもILCに特化したカロリメータの研究を推進する方針を明らかにした。10月には、フランスのエコール・ポリテクニークでILCでの実験に用いる電磁カロリメータの研究を行ってきたこの道のエキスパートであるイギリス人を研究員として雇い、本格的に研究をスタートさせた。ハードウエアでは、シリコン・センサーのテストシステムを組み上げ、センサーのILCでの実験に向けた最適化を始めた。即ち、ガードリングのデザインを最適化し、放射線耐性の試験を行い、最終的には量産時の品質管理を目的とした試験設備を構築した。また、ソフトウエアでは、不良ピクセルの効果、ガードリングの大きさ、PCBの厚さ、などの影響を系統的に調べた。多少の不良ピクセルを許容することで、価格は大きく下がる。また、シンチレータをMPPCで読みだす安価なカロリメータと高価で細分化されたシリコンカロリメータを混合して、安価にしたカロリメータを建設する可能性などのシミュレーションを行った。また、電磁カロリメータ研究の国際ワークショップを東京大学で開催し、フランス、ドイツ、ロシアから研究者を招いた。これらシリコンデバイスやMPPCは基礎物理の研究に、広く応用されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有能な博士研究員を雇い、ILC実験での電磁カロリメータの最適化の研究が軌道に乗った。大学院生も参加してハードウエア、ソフトウエアシミュレーション両方を用いての研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は九州大学や信州大学などの国内の大学との連携はもとより、フランス、ドイツや米国などの国際的なグループとの連携を深めて、ILCの電磁カロリメータの最適化に関する国際ワークショップを開催することである。同時にデバイスの試験を行ってさらにシリコン・カロリメータの理解を深め、最適化に向けた研究を続ける。
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Research Products
(8 results)