2013 Fiscal Year Annual Research Report
LHCでの発見が導く次世代エネルギーフロンティアの発展
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒宮 幸男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80126060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 清以 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40183785)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | カロリメータ / 電子陽電子リニアコライダー(LC) / MPPC / ヒッグス粒子 / 超対称性 |
Research Abstract |
本研究課題においてはILCに特化したカロリメータの研究を推進する方針に基づき研究を行っている。フランスのエコール・ポリテクニークでILCでの実験に用いる電磁カロリメータの研究を行ってきたこの道のエキスパートであるイギリス人を研究員として雇い、本格的に研究をスタートさせている。ハードウェアでは、シリコン・センサーのテストシステムを組み上げ、ILCでの実験に向けたセンサーの最適化を始め、放射線耐性試験の準備を行ってきた。即ち、ガードリングのデザインを最適化し、放射線耐性の試験を行い、最終的には量産時の品質管理を目的とした試験設備を構築した。大学院生2名がこれらの試験に加わり、スタッフとともに、バイアス電圧の設定のサンプルによる違いや、I-V曲線の温度依存性などの、基礎的な試験から立ち上げてきた。ドイツ電子シンクロトロン研究所DESYでのテストビームを用いた試験に参加し、電磁カロリメータとハドロンカロリメータを一体化した時の試験を行いエネルギー分解能に対して良好な結果を得た。多少の不良ピクセルを許容することで、価格は大きく下がるのでこの研究を継続している。また、従来安価な電磁カロリメータのために開発してきたシンチレータストリップをMPPCで読み出すハドロンカロリメータのシミュレーションの準備も行った。ハドロンカロリメータの開発はDESYが中心となって行ってきたが、MPPCに関しては本グループにも経験と情報の蓄積があり十分貢献している。また、リニアコライダー全体の国際ワークショップを東京大学で開催し、世界から350名の研究者を招いた。このワークショップでは、ILCでの物理・測定器とILC加速器全体の開発研究やプロジェクトの推進方針が議論された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有能な博士研究員を雇い、ILC実験での電磁カロリメータの最適化の研究を遂行すると同時に優秀な大学院生も参加して、ハードウェア、ソフトウェアシミュレーションを両方用いての研究を行っており、着実に成果を出している。
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Strategy for Future Research Activity |
カロリメータのデバイスの放射線耐性試験を行い、さらにシリコン・電磁カロリメータだけでなくシンチレータ・ハドロンカロリメータの理解も深め、最適化に向けた研究を続ける。
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Research Products
(6 results)