2014 Fiscal Year Annual Research Report
LHCでの発見が導く次世代エネルギーフロンティアの発展
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
駒宮 幸男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80126060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 清以 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40183785)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カロリメータ / 電子陽電子リニアコライダー(ILC) / MPPC / ヒッグス粒子 / 超対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においてはILCに特化したカロリメータの研究を推進する方針に基づき研究を行ってきた。フランスのエコール・ポリテクニークでILCでの実験に用いる電磁カロリメータの研究を行ってきたこの道のエキスパートである英国人を研究員として雇い、本格的に研究を行ってきた。ハードウェアでは、シリコン・センサーのテストシステムを組み上げ、ILCでの実験に向けたセンサーの最適化を始め、放射線耐性試験の準備を行った。即ち、ガードリングのデザインを最適化し、放射線耐性の試験を行い、最終的には量産時の品質管理を目的とした試験設備を構築した。大学院生2名がこれらの試験に加わり、スタッフとともに、バイアス電圧の設定のサンプルによる違いや、I-V曲線の温度依存性などの、基礎的な試験を行った。ドイツ電子シンクトロン研究所DESYでのテストビームを用いた試験に参加し、電磁カロリメータとハドロンカロリメータを一体化した時の試験を行い、エネルギー分解能に対して良好な結果を得た。多少の不良ピクセルを許容することで、価格は大きく下がるのでこの研究を継続した。シリコン測定器などの中性子照射による放射線耐性試験を計画していた京都大学の原子炉実験所が平成26年8月から臨時安全点検作業が入ることが決定したので、計画が遅れたことによって次年度に予算を繰り越した。また、シンチレータを用いた安価なカロリメータは、電磁カロリメータだけでなくハドロンカロリメータに用いられるので、DESYや信州大学の研究者とともに、プロトタイプに関して読み出し回路にも貢献し、またビームテストを行った。ILCの国際的な親展に関しては、駒宮はLinear Collider Boardの議長として、予算の限られた中において国際的な連携に努めて、国際的なワークショップなどにおいてその進捗状況を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有能な博士研究員を雇い、ILC実験での電磁カロリメータの最適化の研究を遂行すると同時に、優秀な大学院生も参加して、ハードウェア、ソフトウェアシミュレーションを両方用いての研究を行っており、着実に成果を出し国際ワークショップや日本物理学会で発表した。ILCの国際的な進展のために、Linear Collider Boardを年2回開催し、毎月国際電話会議を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
カロリメータのデバイスの放射線耐性試験を行い、さらにシリコン・電磁カロリメータだけでなくシンチレータ・ハドロンカロリメータの理解も深め、最適化に向けた研究を続ける。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] ILCの社会的役割2014
Author(s)
駒宮 幸男
Organizer
東北経済連合会
Place of Presentation
岩手県民会館(岩手県盛岡市)
Year and Date
2014-06-26 – 2014-06-26
Invited
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