2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10222366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸井 健夫 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60322997)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 / 宇宙物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
超対称標準理論において125GeVのヒッグス粒子を説明する模型の構築を行った。ミニマルな設定を超えてゲージ一重項を加えて模型を考察し、一重項が軽い場合には二重項との混合により、通常のヒッグス粒子が重くなりうること、その場合にLHC実験からくるパラメータへの制限を考慮するとヒッグス粒子の超対称対であるヒッグシーノが軽くなる傾向があることを示した。 複素型スタロビンスキー型インフレーション模型における重力波の生成について研究し、BICEP2の指摘していたBモードを説明するほど大きな重力波を生成することはできないことを示した。 高いスケールのインフレーションにおけるアクシオン模型では、これまでアクシオンのスカラー超対称対のコヒーレント振動が崩壊することによってアクシオンが過剰生成される問題が指摘されていたが、有限温度の散逸効果を取り入れることによりアクシオンの過剰生成の問題が緩和されることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに、LHCで発見された125GeVの質量をヒッグス粒子を再現するミニマルな設定を超えた超対称模型の構築とその性質の解明、およびインフレーション起源と思われる重力波の観測を受けてのインフレーションにおける重力波生成の研究を中心に研究を進めてきた。こうした研究課題について一定の研究成果が出たことから研究はおおむね順調に進んでいると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
LHCの再稼働を受け、125GeVの質量をもつ超対称模型その他の標準模型を超える模型の構築とその性質の研究を行う。特に、LHCでの新たな信号に関する研究、宇宙暗黒物質等初期宇宙の理解と密接に関わる課題について更なる研究を進める。
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