2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細谷 裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50324744)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 青司 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201870)
|
Keywords | 素粒子理論 / ヒッグス粒子 / 余剰次元 / ゲージ・ヒッグス統合 / 細谷機構 / 新しい時空 / テラスケール |
Research Abstract |
素粒子の力の統一は対称性の自発的破れと表裏一体であり、標準理論ではビッグスボゾンが対称性の自発的破れを引き起こす。このビッグスボゾンの発見が間近になってきた。驚くべきことに、我々の世界の時空が5次元以上あるとすれば、その反映としてビッグスボゾンが全く違う形で出現する。余剰次元の存在を確認することで、新しい時空像を打ち立てようというのがこの研究課題である。細谷、林、尾田(連携研究者)と研究支援員が中心になり、新しい時空構造、余剰次元理論の構築とテラスケールでの実験的検証に取り組んだ。 細谷は、ビッグス場とゲージ場を統合するゲージ・ヒッグス統合理論の更なる解析をすすめ、ビッグスボゾン生成、KK粒子生成など直接Tevatron/LHCなどの実験観測で検証できる結果・予言を出した。また、超対称粒子の質量の評価し、gluonや軽いクォークの超対称粒子は重く(1TeV以上)、stop粒子(トップクォークの超対称粒子)が300GeV位だと暗黒物質と加速器実験の両方を説明できることを示した。 林はゲージ・ビッグス統合理論におけるフレーバー対称性の破れ解析をすすめ、いかに、FCNCが小さくなりうるかを示した。また、ビッグス場はアハロノブ・ボーム位相と見なせるために、その相互作用はヒッグス場に関して周期性を持ち、湯川結合がKK粒子の間に非対角成分を持ち得ることを示した。 尾田は、余剰次元UED模型において、KKトップ・クォークの寄与により、現在観測されているビッグス粒子候補の断面積の最適値が標準模型より大きくなることが説明できることを示した。 2011年12月12日~14日には、大阪大学シグマホールにおいて、「International Workshop:Extra Dimensions in the Era of the LHC」を開催した。100人近く(外国から25人)が参加し、活発な報告、議論がなされた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
余剰次元理論(ゲージ・ヒッグス統合理論やUED理論)の解析が進み、実験と照らし合わせることができるところまできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
H24年度には、LHCより豊富な実験結果が報告されるはずで、ヒッグス粒子の正体にせまることができる。ヒッグス粒子の生成・崩壊、KK粒子生成など、理論からの予言を更に調べる。
|