2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
23104010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡利 泰山 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (40451819)
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Keywords | 素粒子論 / 弦理論 / 加速器物理 |
Research Abstract |
平成23年度秋からはじまって5年度にわたる、当該科研費助成事業 (新学術領域「テラスケール」B03班) では、テラスケールの加速器実験の成果と超弦理論の間に接点をつけ、以って、実験成果の最大化を図ることを目標としている。平成23年度は、その助成事業の初年度にあたる。この23年度中、秋から年度末にかけての期間は、以下の2つの研究テーマを主に取り扱った。 超弦理論は、量子重力理論の有力な候補であるため、低エネルギー有効理論に現れる重力補正効果を計算することができる。超対称性の破れの効果は、テラスケールの物理に非常に重要な物理量であるが、重力伝達機構による超対称性の破れの場合には、重力補正効果が直接実験の検証を受けられる可能性がある。よって、我々は、超弦理論を用いて超対称性の破れの重力補正効果を計算して、実験とのつきあわせをはかるべく、理論計算の準備を進めた。その成果の一部を、"A Note on Kahler Potential of Charged Matter in F-theory" という論文にまとめた。Phys.Lett. B709 (2012) 254-259。 また、超弦理論の AdS/CFT 対応を用いることにより、ハドロンの高エネルギー散乱の非摂動的情報を理論的に研究する試みも推進した。こちらの研究テーマでは、23年度中には論文にまとまるだけの成果には達していないが、部分的な結果を得た。 これ以外に、当該期間に得られた成果をまとめて、"Contraints on GUT 7-brane Topology in F-theory" という論文も出している。Phys.Lett. B708 (2012) 191-194。 また、当該補助事業では、当該分野の若手育成も重視しており、本年度は、Yu-Chieh Chung 氏の研究をサポートしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、「研究実績の概要」を参照されたい。
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Strategy for Future Research Activity |
助成事業の初年度においては、宇宙論への応用の研究に着手する状況になかった。環境が整い次第、その方面にも着手したい。
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Research Products
(4 results)