2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子触媒による高機能キラル合成素子の環境調和合成
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
23105011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩渕 好治 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211766)
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Keywords | 有機触媒 / キラル素子 / 不斉合成 / アルコール酸化 / 環境調和 / シクロヘプタノイド / キラルアミン触媒 / 超原子価ヨウ素試薬 |
Research Abstract |
本研究は、著者らが独自に開発したニトロキシルラジカル型有機分子触媒およびキラル3級アミン型有機触媒の有用性を開発し、これにより単純で入手容易な出発物質から高度に官能基化されたキラルbicyclo[5.3.0]decane誘導体を種々合成するとともに、これらを基点として、有用医薬資源リード分子構造:bicyclo-[5.3.0]decane環システムの実用的かつ環境調和した合成法の開発を目的とするものである。 計画研究の初年度に当たる本年度は、先に申請者らが開発したキラル合成素子:8-oxabicyclo-[3.2.1]oct-3-en-2-oneの大量かつ簡便な製造を可能とする第二世代合成法を検討した。その結果、超原子価ヨウ素試薬を用いる新規分子内環化エーテル化反応の効率性を向上することに成功した。また、腎腫瘍治療薬リードenglerinA骨格への変換を視野に入れてキラルbicyclo[5.3.0]decane素子の合成を検討し、8-oxabicyclo[3.2.1]oct-3・en-2-oneとシクロペンタジエンとのDiels-Alder環化付加を鍵とするbicyclo[5.3.0]decane骨格の合成ルートを開拓した。一方、素子の精密修飾と応用展開を視野に入れて、有機ニトロキシルラジカルを触媒とするアルケンおよび関連化合物の酸化反応を検討した結果、シリルエノールエーテルからのα,β-不飽和ケトンへの変換法および1,2-ジケトンへの変換法を開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8-Oxabicyclo[3.2.1]oct-3-en-2-oneからsundiversifolideへの変換を達成し、これより素子の有用性を実証した。加えて、当初の目標に設定したDiels-Alder反応を鍵とするbicyclo[5.3.0]decane骨格の合成にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得た成果に基づき、8-oxo-bicyclo[3.2.1]octenone型合成素子ならびにbicyclo[5.3.0]decane型合成素子の合成化学的機能性の開発を行い、その有用性を実証する。
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Research Products
(7 results)