2012 Fiscal Year Annual Research Report
Practical Synthesis of Bioactive Natural Products by Organocatalysts
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
23105012
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
砂塚 敏明 北里大学, その他の研究科, 教授 (30226592)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機触媒 / 全合成 / 天然物 / 創薬 / 実践的合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近微生物代謝産物より見出された新規生理活性天然物Arisugacin類を標的化合物として、有機触媒を駆使して、化合物を量的に確保すると共に誘導体合成も可能な効率的な新規分子骨格法の確立を目的に合成研究を行った。その結果、α-Iononeを出発原料として得られたα, β-不飽和アルデヒドとα-ピロン環を用い種々条件検討した結果、THF溶媒中有機触媒であるL-prolineを2当量用い加熱還流することにより収率61%でArisugacin骨格を有するオレフィン化合物を立体選択的に合成できた。次に12a位への水酸基の導入を検討した結果、1位の水酸基が大きな立体障害になっていることが判明し、その立体を反転させた後、過酢酸を反応させることで、12a位に水酸基が導入出来た。次の12位水酸基のデオキシ化の条件はEt3SiH、TFAで収率良く進行した。最後に1位水酸基をケトンに酸化して、さらにそのα位のフェニルセレニル化、過酸処理による脱離によってエノンに変換することでArisugacin Aの不斉全合成を達成出来た。また、我々は様々な有用なマクロライド化合物を有しておりそれらは医薬、動物薬(Avermectin, Leucomycin, Tylosin, Erythromycin, 等)として使用されている。そこで、今回共同研究として川端先生らが開発した光学活性ピリジン誘導体を利用してAvermectin B2aの位置選択的アシル化反応を検討した。その結果、通常の条件では起こらない位置選択制を示し、さらにアシル基および光学活性有機分子触媒の選択によりAvermectin B2aの位置選択的アシル基導入が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標の生理活性天然物のArisugacinに関しては、有機触媒を用いた鍵反応を開発し、そこから種々変換して、Arisugacinの実践的な全合成法を確立することが出来たことは、ほぼ目的を達成している。 さらに、新学術領域において研究者間の共同研究を推進しており、そこで班員の川端先生との共同研究で、複数の水酸基を有する複雑な天然物であるマクロライド化合物を用いて、創薬を指向した川端触媒をによる位置選択的なアシル化を検討した所、通常の条件では起こらない位置選択制を示し、さらにアシル基および光学活性有機分子触媒の選択によりAvermectin B2aの位置選択的アシル基が達成されたことにより、ほぼ目的を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、我々が見出した生理活性天然物ならびにそれらの誘導体に関して、有機触媒を用いて実戦的な合成法を確立して行きたい。また、我々が保有している様々な生理活性天然物を用いて、有機触媒による位置選択的なアシル化を行い、より優れた薬剤を創製して行きたい。
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[Journal Article] Toward the total synthesis of Luminamicin: construction of 14-membered lactone framework possessing versatile enol ether moiety2012
Author(s)
Aoi Kimishima, Tomoyasu Hirose, Akihiro Sugawara, Takanori Matsumaru, Kaoru Nakamura, Ken Katsuyama, Masaki Toda, Hirokazu Takada, Rokuro Masuma, Satoshi #332;mura, , Toshiaki Sunazuka
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Journal Title
Tetrahedron Lett.
Volume: 53
Pages: 2813-1816
DOI
Peer Reviewed
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