2011 Fiscal Year Annual Research Report
触媒の動的構造制御に基づくタンデム型反応と効率的有用物質合成への展開
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
23105013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長澤 和夫 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10247223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五月女 宜裕 独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 研究員 (50431888)
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Keywords | 有機触媒 / グアニジン / チオウレア / 官能基複合型 / タンデム反応 / 生理活性物質 / フリーデルクラフツ反応 / マイケル反応 |
Research Abstract |
これまでに様々な有機化合物を、高い立体選択性で合成する手法が数多く開発されてきた。またこれらを活用して複雑な骨格を有する生理活性天然物の合成研究も盛んに行われてきた。近年これらの研究に加え、創薬リードとなりうる有用な有機化合物を、より効率的に多様性を持たせて合成する手法開発が求められている。その1つのアプローチとして、複数の分子変換工程を単一フラスコで連続的に行うタンデム型反応開発がある。本研究では、有機分子触媒を用いたタンデム型反応を基盤とする有用有機化合物の合成法開発を目的としている。本年度は、我々がこれまで開発してきたグアニジン官能基を中心とする官能基複合型触媒を用い、タンデム型反応を実現するための基本反応の開拓を行った。その結果、グアニジン-チオウレア官能基複合型触媒を用い、ニトロアルケンに対するβ-ケトエステルの不斉マイケル反応が高い選択性で収率よく進行することを見いだした。このとき、グアニジン-チオウレア間のキラルスペーサー長は、炭素数3であることが必要であり、グアニジン上の置換基は環状アミン誘導体を用いることで選択性が向上することがわかった。また、これまでに見いだされた反応を応用したタンデム型反応についても検討を行った。グアニジン-チオウレア有機触媒存在下フェノール誘導体とニトロアルケンを作用させたところ、フリーデルクラフツ反応に続き反応過程で発生したニトロソ化合物へのニトロアルドール反応が連続して進行し、ジヒドロフラン二量体が高選択的かつ高収率で得られることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々がこれまで開発してきた鎖状グアニジン-チオウレア官能基複合型有機触媒を用い、タンデム反応を行う上での基盤となる反応の1つの開発に成功した。また、既に開発してきた反応を用いたタンデム型反応(ブリーデルクラフツ反応-ニトロソアルドール反応)の開発に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、開発した反応を基に、有用有機化合物合成への展開を検討する。また、鎖状グアニジン-(チオ)ウレア官能基複合型有機触媒を用いた新たな反応の開発を継続して行っていき、様々な有用化合物合成への基盤を構築していく。
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Research Products
(10 results)