2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
23106002
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 史人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90221051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 知洋 九州工業大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20575162)
丸山 央峰 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60377843)
|
Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
|
Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 先端機能デバイス / 細胞計測 / 生物・生体工学 / ナノバイオ |
Research Abstract |
生体内で行われている細胞の分化,増殖,組織形成の過程はいまだ十分に理解されていない.このため実験条件を調整しやすいIn vitro系での組織構築技術が重要となる.そこで超高速操作技術を利用して細胞特性をデータベース化し,細胞システムの活動を追跡し,自律誘導するための最適な環境場とダイナミック刺激との関連を明らかにすることが目的である.本研究の特色はオンチップで超高速にマイクロ・ナノロボットを操作し,マイクロ流路技術に物理的操作技術を導入し,細胞の分離,個別培養,局所環境制御,計測を行い,リアルタイム解析を実現する点にある.本年度は細胞のマルチパラメータ計測のための計測技術の基礎と実験的評価を実施した. (1)フロー式細胞マルチパラメータ計測 (1-1)オンチップロボティクスの微細加工技術基盤:オンチップロボティクスに必要となる, 三次元ナノ加工技術,基盤接合技術の基礎を確立した.マイクロ流体チップ底部を反応性プラズマエッチングで加工したガラス基板とマイクロロボットを組み込んだシリコン基板を接合することでチップの剛性を向上し,計測の安定性を向上した. (1-2)細胞の力学的,化学的パラメータの高速計測:細胞を変形させるための可動部を有するマイクロ流体チップを製作した.細胞の変形には,我々が独自に開発した直接外部駆動機構を用いた.直接外部駆動機構は,µm以下の位置決め精度及び1 nN以下の力計測分能を実現する.チップ内での細胞の機械的特性計測に成功し,細胞の粘弾性計測に向けた基礎を確立した.また,A01の金子らと共同で,可動部が無く,細胞の硬さ指標を高速かつ連続に計測可能なマイクロ流体チップを製作した. (5) 特定細胞の高速分離:フォトリソグラフィにより加工可能で,温度に応じて体積が変化するバイオレジストを流路中にパターニングし,電極加熱で膨潤を制御することで流体を制御し特定の細胞を高速に分離する,細胞ソート機構を試作,評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の特色は,オンチップで超高速にマイクロ・ナノロボット操作し,細胞のマルチパラメータ計測を行うことにある.計測用マイクロ流体チップを高剛性化することで計測の安定性を向上し,細胞を変形させるための可動部を有するマイクロ流体チップの製作および細胞の機械的特性に成功し,また細胞を高速に分離するための細胞ソート機構の製作も進んでいることから,本提案を支える基本原理の確立が順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
A.細胞のマルチパラメータ計測と評価 フロー式細胞マルチパラメータ計測技術を改良する.マイクロ流体チップの接合技術の改良による漏れの防止と可動部の剛性向上により,計測の安定性とスループットを向上する.また,引き続き,A01の金子らと共同で,細胞の硬さ指標を高速計測したサンプルを同じ環境中で精密計測するマイクロ流体チップを製作し,統計データを解析する.細胞の電気的パラメータの高速計測として,デバイスを改良し,フロー式で連続的に電気特性を解析する.フロー式細胞マルチパラメータ計測のための校正用マイクロビーズの力学的パラメータの計測結果を光弾性計測結果と比較して計測性能を評価する.また,培養細胞の特性評価と分離を行い,計測した細胞を培養して各細胞特性を評価する.ここで,リアルタイム培養細胞観察システムを用いて,フロー式細胞マルチパラメータ計測を長期間安定的に遂行できるシステムを構築し,細胞を計測してデータベースの構築を進める. B.細胞と環境の相互作用の解析 特定細胞の高速分離が可能なシステムを構築する.チップ内にマイクロアクチュエータを組み込んで細胞ソートする.特定細胞の計測から,分離,さらには組織構築まで一貫したシステムを試作し,分離した細胞のアセンブリ体のリアルタイム観察システムを構築する.また,細胞の培養環境制御として,細胞アッセイと自立誘導制御のための細胞培養環境を整備し,力学的刺激と細胞と環境の相互作用を解析する.さらに,細胞システムの調整制御として,A03の鈴木らと共同で,骨の分化の過程と環境との相互作用(pH,温度変化等)をオンチップでモニタリングするデバイスを作製し評価する.
|
Research Products
(24 results)