2012 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-High Speed Measurement of Cell Properties
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
23106003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 真 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70224607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東森 充 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30346522)
多田隈 建二郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30508833)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞機械インピーダンス / メカトロニクス / 高速ビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
ES細胞やiPS細胞が分化していく過程で、活性度の高い細胞を選んで培養していくことは最終的に生命力の高い組織を得る上できわめて重要である。細胞の活性度と細胞の機械インピーダンス(硬さや粘性)との間には密接な関係があることが知られている。本研究では数μmから数十μmの細胞の機械インピーダンスをマイクロ流路内に細胞を圧送しその細胞のマイクロ流路内の動きを高速ビジョンで実時間追跡することによって、1000個/秒で細胞の機械インピーダンスを評価することができるシステムを構築し、最終的に三次元細胞組織構築システムに送り、In-vitroでの三次元細胞体の構築に寄与することを目的としている。機械インピーダンスの評価システムは大きく受動的手法と能動的手法に分けることができる。受動的手法とは細胞より小さい断面を有するマイクロ流路の出入り口に一定差圧を加え、そのときのマイクロ流路内の細胞の通過挙動を高速ビジョンで観察し機械インピーダンスを評価する方法で、能動的方法とはマイクロ流路内の差圧を高速アクチュエータによって能動的に変化させ、細胞に周期的な負荷を与えた状態で細胞の変形能特性を観察する方法である。平成24年度は特に、能動的手法に着目し、"細胞ストレステスト"という新しい評価法を提案した。高速アクチュエータを用いてマイクロ流路内の圧力を周期的に変動させる(東森充:研究分担者)ことで流路内の細胞に往復運動を発生させた。これを細胞直径の1/3以下の極細マイクロ流路内を用いて行う(多田隈健二郎:研究分担者)と細胞に大きなストレスがかかり、やがて回復特性に影響が現れはじめ、やがて細胞がノックダウン状態に至る。さらにこの一連の細胞の形状変化を透過型顕微鏡で観察した結果、往復運動を与えているとまず細胞表面に”あざ”のようなものが現れ、その後たちまち回復機能を失うことをつきとめた(金子真:研究代表者)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数μmから数十μmの細胞の機械インピーダンスをマイクロ流路内に細胞を圧送し、その細胞のマイクロ流路内の動きを高速ビジョンで実時間追跡することによって、1000個/秒で細胞の機械インピーダンスを評価することができるシステムを構築するという目的に対しこれまでに機械インピーダンスのうち硬さ成分だけではあるものの、400個/秒で細胞の硬さ評価を行うことができるシステムをすでに構築している。この数値を2.5倍にすることは、マイクロ流路の並列化が完成すれば達成可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は受動的手法ではなく、アクチュエータを内蔵した能動的手法による高速評価法に力を入れ、細胞の周波数応答特性という新しい概念も提案していく予定である。
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