2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
23106008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90343110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 弘晃 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30548681)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | 知能機械 / マイクロマシン / マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / 再生医学 |
Research Abstract |
平成24年度は(1)パリレン上での細胞のパターン、(2)細胞を播種したマイクロプレートの駆動力の組み込みを行った。 パリレン上での細胞のパターンについては、PDMS を用いてマイクロプレート上にてフィブロネクチンのパターンを作ることにより、接着した細胞の配向を任意に決定することに成功した。また、折りたたむ前に異種細胞を添加することで二種類の細胞からなる三次元構造の構築に成功した。 マイクロプレートの駆動力については、磁場応答性を示す、鉄・ニッケル合金(パーマロイ)を組み込んだマイクロプレートの作製に成功した。これにより磁場を外部からかけることでマイクロプレートの位置、および向きを制御することができるようになった。この技術を利用することで、共焦点顕微鏡で観察を行いながら細胞ののったマイクロプレートの角度を制御することに成功した。共焦点顕微鏡は三次元的に観察することができる顕微鏡であるが、 XY 軸方向に比べて、Z 軸方向では分解能の低い観察しかできなかった。本研究で開発した磁場応答性マイクロプレートを使うことにより、観察中の細胞の角度が変えられるため、細胞をどの方向からも高分解能で観察することができるようになった。また、細胞牽引力をマイクロプレートの駆動力として用いた場合でも、マイクロプレートのデザインをかえることで、従来では谷折りの方向でしかマイクロプレートの折り畳みができなかったものを、山折で折りたたむことにも成功した。これにより、これまで以上に複雑な三次元構造をマイクロプレート技術によって構築することが可能になった。 また、細胞の牽引力を駆動力としてマイクロプレートを折り畳み、三次元構造を作製する細胞折紙技術について論文としてまとめ、PLOS ONE に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り、細胞折紙技術によって、細胞の三次元構造の構築が進んだ。細胞折紙の基礎技術に関しても、論文にまとめ、電子版の国際誌である PLOS ONE に掲載された。平成24年度の研究により、異種細胞を埋め込んだ三次元構造の構築も成功し、複数種類の細胞からなる構造の構築が可能になった。また、形成する構造についても、マイクロプレートのパターンにより、これまで実現していた谷折りによる三次元的折り畳みだけでなく、新たに山折りによる三次元的折り畳みも可能であることがわかった。この知見により、より複雑な立体構造を構築することが可能になった。 折り畳みの駆動力についても、マイクロプレートに磁場応答性合金であるパーマロイを埋め込むことにより、当初の計画通り、従来の牽引力に加え、磁場を折り畳みの駆動力とすることに成功した。また、この磁場応答性マイクロプレートを用いることで、当初の計画では想定していなかった顕微鏡観察中に細胞の位置と向きを任意に変えることが可能になった。これは、共焦点顕微鏡の Z 軸方向における分解能が、XY 軸方向に比べて低いことを克服する技術であり、これによってこれまで観測できなかった生命現象の発見につながることが期待される。すでにこの技術を用いて細胞表面での寄生虫の挙動観察に着手しており、平成25年度以降の研究で、計画以上の成果がでることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までの研究により、マイクロプレートを用いることで三次元の細胞組織構築が可能となった。そこで、平成25年度からは構築した三次元構造からマイクロプレートを除去する技術の開発を行う。 温度応答性樹脂をマイクロプレートに組み込むことで、三次元構築後に培養温度を下げることでマイクロプレートから細胞がかい離することが期待される。そのため、平成25年度も引き続き、温度応答性樹脂を得意とする A03 班 大和グループと連携して、温度応答性樹脂のマイクロプレートへの組み込みの条件検討を行う。また、三次元組織構築後にマイクロプレートの分解を行う研究も開始する。マイクロプレートの材料を従来のパリレンから、細胞毒性の低い酵素であるセルラーゼによって分解されるバクテリアセルロースに変えて、マイクロプレートの作製を行う予定である。 また、磁場応答性マイクロプレートを用いた顕微鏡観察下での細胞ハンドリング技術についても研究を進める。磁場応答性マイクロプレートを細胞への寄生虫侵入に応用することで、これまで観察されていなかった細胞表面における寄生虫の挙動を観察する。この観察結果を応用例として、磁場応答性マイクロプレートを論文としてまとめ、発表することを予定している。本年度の研究で実現したマイクロプレートの山折構造についても、構築した構造の詳細な観察結果とともに、平成25年度に開催される国内外の学会で発表する予定である。
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Research Products
(15 results)