2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107004
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
由井 伸彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金野 智浩 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80371706)
徐 知勲 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (20611544)
田村 篤志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (80631150)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超分子 / ポリロタキサン / シクロデキストリン / siRNA / 酵素 / ライソゾーム病 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、環状分子の空洞部に線状高分子が貫通したインターロック構造の超分子ポリロタキサン(PRX)を基盤材料として、細胞内反応の解析、および治療技術への応用を目的としている。前年度までの研究で、細胞内環境で超分子骨格が分解する細胞内分解性PRXを設計し、核酸 タンパク質の細胞内導入キャリアとしての機能評価を進め、PRX骨格の有用性を明らかとしてきた。一方、細胞内分解性PRXが細胞内で分解し、多数の環状分子(シクロデキストリン)を放出する現象に着目し、これを利用したライソゾーム病治療について検討を進めてきた。先天的な遺伝子変異によりリソソームにコレステロールが慢性的に蓄積するニーマンピック病C型に対し、PRXはリソソーム内のコレステロール異常蓄積を改善することを明らかとした。 ニーマンピック病C型を含むライソゾーム病ではリソソーム機能の異常により、細胞のタンパク質分解機能であるオートファジーが正常に機能していないことが明らかとされている。特にニーマンピック病C型では定常状態でオートファゴソームの蓄積が認められる。このようなニーマンピック病C型におけるオートファジー機能異常に対し、細胞内分解性PRXを作用させることでオートリソソームの形成を促進し、オートファジー機能を正常細胞と同程度まで改善することを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請課題の最終的な目標はポリロタキサンの治療技術への応用である。オートファジーの機能異常は多くの神経変性疾患で認められており病態の主因と考えられている。ポリロタキサンによるオートファジー機能の改善を利用することで、様々な疾患治療へと展開できる可能性が期待される。また、前年度まで検討を進めてきたPRXによる核酸、タンパク質デリバリーについては、超分子構造の有用性を明らかとするとともに、一部の実験系についてはin vivoでの実験を開始することができた。よって、当初の計画通りに研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、ポリロタキサンによるオートファジー機能の改善について作用メカニズムを明らかにするとともに、他の疾患に対する効果を明らかとする。また、前年度までin vitroの実験系でPRXによる核酸、タンパク質デリバリーを検討し、超分子構造の効果を明らかとしてきたが、最終年度は疾患モデル動物に対するin vivoでの有用性、治療効果についても検討する計画である。
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