2013 Fiscal Year Annual Research Report
がんリンパ行性転移の分子機構解明に基づく新治療法創発
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | ナノバイオ / バイオテクノロジー / がん / リンパ節 / イメージング / 蛍光 / X線 / 診断 |
Research Abstract |
平成25年度は、「X線Computed Tomography(以下X線CT)と蛍光を用いたセンチネルリンパ節検出法開発」と「蛍光ナノ粒子を用いたがん組織診断法開発」に関して成果が得られた。 センチネルリンパ節検出ではX線CTイメージング用造影剤としてシリカコーティング金ナノ粒子を、そして蛍光イメージング用として量子ドットを内包したシリカコーティング蛍光ナノ粒子を開発した。両粒子をマウスの下肢に注入した後、X線CTイメージングおよび蛍光イメージングを行った。その結果、両シリカコーティングナノ粒子は、ほぼ同様の分布を示し、同一のリンパ節のデュアルイメージングを行うことに成功した。X線CTでイメージングされた膝窩リンパ節は不均一に造影された。先行研究において、我々はブタモデルで、ナノ粒子の不均一分布は、患部に接続するリンパ管がリンパ節に流入する部位を可視化していることを明らかにしてきた。リンパ管のリンパ節への流入部は、がんが最初にリンパ行性転移を引き起こす部位であると考えられている。よってナノ粒子の不均一分布は、リンパ節内でがん転移が起こり易い部位をイメージング可能なことを示しており、がんの診断技術開発への貢献が期待される。 またがん組織診断では、がん転移活性化因子に対する抗体が結合した蛍光ナノ粒子を用い、ヒト乳がん組織の免疫組織染色を行った。その結果、がん組織中に存在するがん転移活性化因子の発現量を高精度解析することに成功した。臨床データを用いて、がん転移活性化因子の発現量と再発危険性の相関性を調べた結果、無再発患者に比べ、再発した患者でがん転移活性化因子の発現量が数倍高まっていたことが明らかとなった。今後はさらに症例数を増やし、本因子の発現レベルよって予測される再発危険性の分子パラメーターの導出を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光とX線CTを同時に利用したリンパ節イメージングの開発に成功しつつあり、将来的にリンパ行性転移を高確度で検出し得ることが期待される。また蛍光ナノ粒子を使ったがん組織の蛍光イメージングにより、がん再発危険性の分子パラメーター導出への展開が期待される。以上のように、ナノメディシン分子科学分野に対して大きな貢献をしており、26年度は一層の技術展開が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の推進は概ね順調に進んでおり、この方向性で着実なデータ取得を推進する予定である。
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[Journal Article] Single quantum dot tracking reveals that an individual multivalent HIV-1 Tat-protein transduction domain can activate machinery for lateral transport and endocytosis.2013
Author(s)
Suzuki Y, Roy C, Promjunyakul W, Hatakeyama H, Gonda K, Imamura J, Pillai B, Ohuchi N, Kanzaki M, Higuchi H, Kaku M.
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Journal Title
Molecular and Cellular Biology
Volume: 33
Pages: 3036-3049
DOI
Peer Reviewed
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