2014 Fiscal Year Annual Research Report
がんリンパ行性転移の分子機構解明に基づく新治療法創発
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ナノバイオ / バイオテクノロジー / がん / リンパ節 / イメージング / 蛍光 / X線 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度4~3月において、本研究のH26年度の成果として、「シリカコーティング蛍光ナノ粒子」と「金ナノ粒子」を別々に合成し、これらを融合したマルチモーダルナノ粒子を合成した。これをリンパ節転移モデルマウスのがん患部へ注入し、イメージングを行った結果、がん細胞がリンパ節転移する際、最初にリンパ節へたどり着く領域(輸入リンパ管のリンパ節流入部付近)を可視化することに成功した。しかし、マルチモーダルナノ粒子の合成において、シリカコーティング蛍光ナノ粒子と金ナノ粒子の結合比にばらつきが見られたため、定量的な解析を実現するためには、この点を改良する必要があった。 H27年度4~8月において、H26年度の繰越費用を使った研究成果として、両ナノ粒子の結合反応を様々な条件(混合比、反応時間など)にて検討した。その結果、両ナノ粒子の結合比をある一定の割合に調製したマルチモーダルナノ粒子を合成することに成功した。このナノ粒子でH26度と同様に、リンパ節転移モデルマウスのイメージングを行った。その結果、X線CTでがん転移開始部位である輸入リンパ管のリンパ節流入部を可視化することができた。X線CTで同定した輸入リンパ管のリンパ節流入部を、マルチモーダルナノ粒子の蛍光能を使って細かく調べたところ、がん細胞の転移領域をより詳細に特定することに予備的に成功した。よって、本法の開発がさらに進めば、リンパ節転移を高確度で予測することができると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費の繰り越し時に設定した課題を解決し、研究が順調に進展したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度得られたマルチモーダルナノ粒子によるイメージングの感度や精度を強化することにより、臨床応用へ向けた展開を加速させる。
|
Research Products
(3 results)