2015 Fiscal Year Annual Research Report
がんリンパ行性転移の分子機構解明に基づく新治療法創発
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノバイオ / バイオテクノロジー / がん / リンパ節 / イメージング / 蛍光 / 予後 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、がんの原発巣やリンパ節転移巣の性状を病理学的に診断する方法の開発を行った。臨床において、がんの病態診断では、「形態を診断するHE染色」と「発現タンパク質の種類や量の解析から性状を診断する免疫染色」が行われている。特に、免疫染色による診断結果は、予後予測や抗がん剤治療戦略に利用されるため、がん根治に向けた重要な情報となる。 これまでのがん免疫染色は、HRPの酵素反応により、標的因子存在部位を色素発色させていた。この方法は発色強度が温度、時間、基質量に左右され、定量性が不十分であった。がん免疫染色の低い定量性は、がんの診断精度に大きな影響を及ぼすため、高定量性の免疫染色法の開発が課題となっていた。 本研究班では、この課題を解決するために、H26年度に蛍光ナノ粒子染色と新規画像解析法によるイメージングによって、がん組織に存在するがん関連因子の発現量を高精度解析する方法の開発に成功した。H27年度は、がん転移活性化因子として注目されているPAR1(Protease-activated receptor 1)に焦点を当て、PAR1を特異的に認識する独自の抗体と蛍光ナノ粒子を結合させた「PAR1抗体-ナノ粒子」を作製した。この蛍光プローブでヒトがん組織を免疫染色した後、独自の画像解析法で、取得蛍光画像の評価を行った。具体的には、ヒト乳がんの手術後の予後予測を試みるために、乳腺正常組織、5年以上無再発の乳がん組織、3年以内再発の乳がん組織、の3種類のヒト組織を使って免疫染色と画像解析を行った。その結果、「PAR1抗体-ナノ粒子」の蛍光スコアは、術後の再発危険度に強く相関するデータを得ることに成功した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)