2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Frontier of Materials, Life and Elementary Particle Science Explored by Ultra Slow Muon Microscope |
Project/Area Number |
23108002
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
髭本 亘 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90291103)
石田 勝彦 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 副主任研究員 (70176189)
PATRICK Strasser 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (20342834)
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Keywords | ミュオン / 超低速ミュオン顕微鏡 / パルスレーザー / ライマンαレーザー / 共鳴イオン化法 / 表面界面 / 水素 / マイクロビーム |
Research Abstract |
本研究は、光科学と加速器科学の究極的な融合により、「超低速ミュオン顕微法」を確立させ、物質科学を飛躍的に発展させる事を目的としている。 実空間における微視的スピン相関を広い時間スケールで観測することは、物質や生命のダイナミクスを知る上で欠かすことができないものである。超低速ミュオン顕微鏡は、表面から内部に至る任意の深さにおいて、これまでにない高い空間分解能でスピン時空相関を観測する事ができる。本班は、この基幹装置の整備を行うことで、本領域の基盤を構築するとともに、微小化したビームにより物質科学の新たな展開を図る。 基幹技術である超低速ミュオン発生に関しては、平成11年よりこれまで6件の科学研究費補助金の交付を受け、パルス状ミュオンビームとライマンαコヒーレント光(ライマンαレーザー光)を組み合わせるという斬新な方法によって、その生成手法を確立してきた。新学術領域研究「超低速ミュオン顕微鏡計画」A01班は、超低速ミュオンによる研究を本格的に開始するため、1)熱ミュオニウム発生装置並びに超低速ミュオン顕微鏡光学系を設計・製作し、2)A04班が構築する100 μJ/パルス/cm2を超える大強度パルス状ライマンαレーザーシステムと組み合わせる。これにより、0.2 eVの超低速ミュオンを従来の10000倍以上、毎秒106個発生させることができる。さらに、3)超低速ミュオンの再加速により最小で1 μmφにまでビーム径を絞り込み、顕微機能を最大限に発揮した物質研究を行うことが可能となさしめることをミッションとしている。 本年度は、1)の熱ミュオニウム発生装置並びに超低速ミュオン顕微鏡光学系を設計・製作をおこない、設置がほぼ終了するところまできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超低速ミュオン顕微鏡の根幹部である、熱ミュオニウム発生装置並びに超低速ミュオン顕微鏡光学系を設計・製作をおこない、設置がほぼ終了するところまできた。
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Strategy for Future Research Activity |
A04班が構築する100 μJ/パルス/cm2を超える大強度パルス状ライマンαレーザーシステムと組み合わせることによって超低速ミュオンを発生させることができるが、レーザーシステムの構築が、半年以上遅れていたが、やっと3月末にJ-PARCに搬入された。現在、立ち上げの準備、レーザー安全審査を行っている最中である。従って、超低速ミュオンの生成、取り出しは2013年5月中旬から行う予定である。
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