2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Frontier of Materials, Life and Elementary Particle Science Explored by Ultra Slow Muon Microscope |
Project/Area Number |
23108002
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PATRICK Strasser 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (20342834)
石田 勝彦 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 副主任研究員 (70176189)
髭本 亘 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90291103)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | ミュオン / 超低速ミュオン顕微鏡 / パルスレーザー / ライマンαレーザー / 共鳴イオン化法 / 表面界面 / 水素 / マイクロビーム |
Research Abstract |
本研究領域は、光科学と加速器科学の究極的な融合により、「超低速ミュオン顕微法」を確立させ、物質科学を飛躍的に発展させることを目的としている。実空間におけるスピン相関を広い時間スケールで微視的に観測することは、物質や生命のダイナミクスを知る上で欠かすことができない。超低速ミュオン顕微鏡は、表面から物質内部に至る任意の深さにおいて、これまでにない高い分解能で「スピン時空相関」を観測することができる。本班は、この基幹装置の開発・整備を行うことで、本領域の基盤を構築するとともに、マイクロ化したミュオンビームを生成することにより、物質科学の新たな展開を図ることを目標としている。本研究では、主として「ミュオンスピン回転緩和(μSR)法」と呼ばれる実験手法を用いる。μSR 法は素粒子ミュオンを用いた超高感度の局所内部磁場の観測手法である。加速器で生成された100%スピン偏極したミュオンをプローブとして試料に打ち込むため、あらゆる物質に適用可能であり、磁性研究をはじめとして極めて広い分野で用いられている。他の実験手法では観測困難なMHz領域の内部磁場の揺らぎの観測に威力を発揮し、広い時間窓で、実空間におけるスピンの動的・静的な状態を知ることができる本研究班は、超低速ミュオンによる研究を本格的に開始するため、1)熱ミュオニウム発生装置並びに超低速ミュオン顕微鏡光学系を設計・製作し、2)A04班が構築する100 μJ/パルス/cm2を超える大強度パルス状ライマンαレーザーシステムと組み合わせる。これにより、0.2 eVの超低速ミュオンを従来の10000倍以上、毎秒10(6)個発生させることができる。さらに、3)超低速ミュオンの再加速により最小で10μmφにまでビーム径を絞り込み、顕微機能を最大限に発揮した物質研究を行うことが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適化に予想以上に時間を要したために、Mu発生チェンバー、タングステン加熱ヒーター、輸送用高圧電源、偏向電磁石電源の仕様決定、製作着手を遅らさざるを得なくなった。また、手法を変更したことに伴い、製作期間も当初予定よりも長くかかることとなったが、納期が少々遅れるだけで実質的な問題にはならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度10月に装置が納入された。その後、所定の場所に設置を1月下旬から開始した。タングステン箔の不純物であるリシウム6、リシウム7を用いてのオプティックスの最適化を25年度から行う。 超低速ミュオンの生成、取り出しは、放射線施設検査に合格してから行う。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] J-PARC MUSEにおける超低速ミュオンビームラインの建設22013
Author(s)
長友傑, Patrick Strasser, 池戸豊, 牧村俊助, 中村惇平, 西山樟生, 河村成肇 , 下村浩一郎, 藤森寛, 小林庸男, 大久保隆治, 伊藤孝, 髭本亘, 門野良典, 鳥養映子, 三宅康博
Organizer
日本物理学会第68回年次大会
Place of Presentation
広島大学
Year and Date
20130326-20130329
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[Presentation] アルカリ金属を蒸着したタングステン表面からのミュオニウム放出実験22013
Author(s)
鈴木卓爾, 神田聡太郎, 西村昇一郎, 南雲一章, 深尾祥紀, 長友傑, 池戸豊,上野一樹, 立花隆行, 中村惇平, 河村成肇, Patrick Strasser, 牧村俊助, 藤森寛, 三部勉, 下村浩一郎, 小嶋健児, 鈴木聡, 西山樟生, 齋藤直人, 長嶋泰之, 三宅康博
Organizer
日本物理学会第68回年次大会
Place of Presentation
広島大学
Year and Date
20130326-20130329
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[Presentation] Positron Separators in Superomega muon beamline at J-PARC2012
Author(s)
Y. Ikedo,Y. Miyake,K. Shimomura,P. Strasser,N. Kawamura,K. Nishiyama,S. Makimura,H. Fujimori,A. Koda, J. Nakamura, T. Nagatomo, Y. Kobayashi, T. Adachi, Y. Matsuda, T. Ogitsu, T. Nakamoto, K. Sasaki, H. Ohhata, A. Yamamoto, Y. Makida, M. Yoshida, T. Okamura, R. Ohkubo, W. Higemoto, T. U. Ito, K. Nakahara, K. Ishida
Organizer
EMIS 2012
Place of Presentation
Kunibiki Messe, Matsue
Year and Date
20121202-20121207
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[Presentation] J-PARC MUSEにおける超低速ミュオンビームラインの建設2012
Author(s)
長友傑, Patrick Strasser, 池戸豊, 牧村俊助, 中村惇平, 西山樟生, 河村成肇 , 下村浩一郎, 藤森寛, 小林庸男, 大久保隆治, 伊藤孝, 髭本亘, 門野良典, 鳥養映子, 三宅康博
Organizer
日本物理学会2012年秋季大会
Place of Presentation
横浜国立大学
Year and Date
20120918-20120921
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[Presentation] アルカリ金属を蒸着したタングステン表面からのミュオニウム放出実験12012
Author(s)
鈴木卓爾, 神田聡太, 南雲一章, 深尾祥紀, 長友傑, 池戸豊,立花隆行, 中村惇平, 河村成肇, Patrick Strasser, 牧村俊助, 藤森寛, 三部勉, 下村浩一郎, 小嶋健児, 鈴木聡, 西山樟生, 齊藤直人, 長嶋泰之, 三宅康博
Organizer
日本物理学会2012年秋季大会
Place of Presentation
横浜国立大学
Year and Date
20120918-20120921
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[Presentation] 超低速ミュオン顕微鏡A01 班の現状2012
Author(s)
三宅康博, ストラッサー・パトリック, 牧村俊助, 中村惇平, 長友傑, 池戸豊, 下村浩一郎, 西山樟生, 幸田章宏, 河村成肇, 小林庸男, 髭本亘, 伊藤孝, 小嶋健児, 門野良典, 石田勝彦, 鳥養映子
Organizer
超低速ミュオン顕微鏡が拓く物質・生命・素粒子科学のフロンティア第2回領域会議
Place of Presentation
北海道大学
Year and Date
20120830-20120901
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[Presentation] WG4 - J-Parc Muon Facility2012
Author(s)
Y. Ikedo,Y. Miyake,K. Shimomura,P. Strasser,N. Kawamura,K. Nishiyama,S. Makimura,H. Fujimori,A. Koda, J. Nakamura, T. Nagatomo, Y. Kobayashi, T. Adachi, Y. Matsuda, T. Ogitsu, T. Nakamoto, K. Sasaki, H. Ohhata, A. Yamamoto, Y. Makida, M. Yoshida, T. Okamura, R. Ohkubo, W. Higemoto, T. U. Ito, K. Nakahara, K. Ishida
Organizer
NuFACT 2012
Place of Presentation
Jefferson Lab., USA
Year and Date
20120723-20120728
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