2011 Fiscal Year Annual Research Report
量子線を用いた精密構造解析によるLPSO構造の材料特性発現機構の解明
Project Area | Materials Science of synchronized LPSO structure -Innovative Development of Next-Generation Lightweight Structural Materials- |
Project/Area Number |
23109003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
相澤 一也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (40354766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 滋 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主席研究員 (50360821)
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Keywords | 構造・機能材料 / 量子ビーム |
Research Abstract |
本計画研究では、世界トップクラスの大型量子線施設J-PARC(中性子)、SPring-8(放射光)の最新鋭装置群(SuperHRPD、匠、大観、BLO2B2、BL13XU、BL40XU)を駆使して世界最高精度で結晶・組織構造解析を行い、シンクロ型LPSO構造の材料特性発現に関する学理構築に貢献することを目的にしている。 本年度は、J-PARCにおいては、東日本大震災により中性子実験装置(SuperHRPD、匠、大観)が被災したため、復旧作業及び次年度の研究を進めるための研究基盤の整備を実施した。復旧作業に関しては、年度内に完了させることは、困難であることが予想されたが、完遂した。その結果、新規建設装置の大観に関しては、H24年2月から中性子ビームを使用した装置調整を開始し基本性能を確認した。匠、SuperHRPDに関しては、3月から中性子ビームを使用した装置調整を開始し、両装置の性能が、震災前の状態に回復していることを確認した。SPring-8に関しては、BL40XUに設置されている1ミクロン以下の極微小単結晶の構造解析が可能なピンポイント構造計測装置を利用して、γ相とLPSO相から構成される2相組織中のMg29Al3Gd4結晶の回折実験を実施した。その結果、LPSO相と思われる2.5nm程度の周期構造に起因する回折パターンの取得に成功した。得られた回折強度から、数ミクロン程度のLPSO単結晶を用いれば、充分構造解析が可能であることを明らかにした。 研究基盤の整備として、J-PARCにおいては、SuperHRPD、匠で用いる、結晶構造解析においてLPSO合金等の金属試料で問題となる集合組織による回折パターンへの影響を除去するためのガンドルフィカメラ型2軸回転機構を整備した。また匠で用いる、応力負荷実験時の試料観察領域を規定するための1mmラジアルコリメータを整備した。SPringに関しては、変形試験用の窒素吹付高温装置を導入した。 上記の予備実験、研究基盤の整備により次年度からの研究を円滑に進めるための準備を完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画研究の実施に必須なJ-PARC中性子実験装置群の復旧を年度内に完了させ、研究環境を整えた。また、LPSO単結晶に関して、初めて放射光を用いた予備実験を実施し、実験に必要な試料サイズを明らかにし、次年度からの本格研究に備えた。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は、領域内の他の計画研究班から提供される共通試料を用いて、J-PARCにおいては、SuperHRPD等を使用したLPSO合金精密結晶構造解析、他の計画研究班と連携した匠、大観を使用した応力応答実験、相変態過程観察実験を実施する。また、SPring-8においては、マイクロビームを用いた精密単結晶構造解析、歪解析、EXAFSによる局所構造解析を実施する。
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Research Products
(12 results)