2011 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下物質合成によるシンクロ型LPSO構造物質群の拡大
Project Area | Materials Science of synchronized LPSO structure -Innovative Development of Next-Generation Lightweight Structural Materials- |
Project/Area Number |
23109007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河村 能人 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (30250814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 倫昭 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (50343885)
松下 正史 愛媛大学, 理工学研究科, 講師 (90432799)
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Keywords | マグネシウム / 長周期積層構造 / 急速凝固 / 高圧場 |
Research Abstract |
平成23年度において本計画研究「極限環境下物質合成によるシンクロ型LPSO構造物質群の拡大」では、(1)常圧場プロセスによるLPSO構造物質群の探索、(2)超急冷場プロセスを利用したLPSO構造物質群の探索のための雰囲気制御急速凝固薄帯固化成形プロセスの整備と実際の組成探索、(3)高圧場プロセスを利用した超高圧LPSO構造物質合成のための装置微調整と物質探索を目的に研究を行い、以下の結果を得た。 (1)常圧場プロセスによるLPSO構造物質群の探索: 新規LPSO構造物質の探索をMg-Al-RE系を対象に行ない、Mg-Al-Gd、Mg-Al-Erなど数種類の合金系で18R構造を発見した。Mg-Zn-RE系の18R構造がシンクロ型LPSO構造であるのに対して、Mg-Al-RE系で見られる18R構造はorder/disorder型化合物であることが明らかになりつつある。 (2)超急冷場プロセスによるLPSO構造物質群の探索のためのシステム構築: Mg基合金およびTi基合金を対象とした超急冷場を利用したLPSO構造物質探索を行なうための高周波誘導溶解装置の導入と急速凝固薄帯固化成形プロセスの立ち上げを行ない、探索を開始した。 (3)超高圧場プロセスによるLPSO構造物質群の探索: 高圧セル設計を行い、高圧場プロセス装置を立ち上げるとともに、キャピラリー-Imaging Plateを利用したX線回折測定をSPring-8の粉末回折用ビームラインと研究室のX線回折装置で実施し、高圧場合成試料のX線回折によるLPSO構造の測定手法の確立を行なった。また、高温高圧下で保持した急速凝固材Mg87Zn5Y8合金の構造変化を調査し、室温・等方圧力下で18Rの構造は15GPaまで安定であるという基礎的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)常圧場プロセス:Mg-Al-RE系合金で数種類の新たなLPSO構造物質を発見した。 (2)超急冷場プロセス:急速凝固薄帯固化成形プロセスのシステム構築が計画通り進んだが、現在のところ新規LPSO構造物質の発見には至っていない。 (3)超高圧場プロセス:高圧セルの設計および装置の立ち上げが計画通り進んでおり、高圧印可試料の構造解析に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)常圧場プロセス:希土類を含まないMg基合金およびTi基合金での新規LPSO構造物質の探索を計画通り実行する。 (2)超急冷場プロセス:構築した急速凝固薄帯固化成形プロセスを用いて、過飽和固溶体を前駆体とするLPSO構造物質形成合金の探索を進める。 (3)超高圧場プロセス:高圧高温環境でのMg合金の構造を明らかにし、LPSO構造の生成、崩壊のカイネティクスに言及するとともに、新しいLPSO物質の探索を進める。
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Research Products
(87 results)