2012 Fiscal Year Annual Research Report
Disturbance of brain environment by impairment of proteolysis leading to neurodegeneration
Project Area | Brain Environment |
Project/Area Number |
23111002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90216771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆谷 真 滋賀医科大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60332326)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / 遺伝子 / 内科 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)26SプロテアソームのRpt3サブユニットのATPase部分をコードするエクソンをloxP配列で囲んだfloxed Rpt3マウスを作製し、これとVAChT-Creマウスを交配させることによって、運動ニューロン特異的にRpt3を欠損するマウスを樹立し、UPSの破綻によって、進行性に運動機能障害を生じ、TDP43,FUS陽性細胞質内封入体を形成し、病理学的にもALSに酷似する運動ニューロン病マウスモデルを確立した(Tashiro et al.JBC, 2013)。 2) TDP-43の構造解析による孤発性ALSの病的パスウェイの同定 ①TDP-43(野生型、FALS型、細胞質型)の過剰発現で、発現変動を示す因子の解析を進め結果、24時間後と5日後の両者で発現低下しているシナプス後肥厚(PSD蛋白質)を同定した。本タンパク質の機能解析実験を開始し、評価系としての不死化運動ニューロン細胞の分化型培養法を確立した。 ②TDP-43のミスフォールディングに関連する局所アミノ酸構造の同定と、それを特異的に認識する抗体の開発 TDP-43のRNA結合ドメイン(RRM1,RRM2)の構造解析により、各々の生理的コンフォメーションから逸脱した病原構造に至る責任ドメインを明らかにした。さらにRRM2ドメイン内の酸性アミノ酸に対するモノクロナール抗体がALS関連封入体を特異的に認識することを明らかにし、国際学術誌に報告した(Shodai, et al, PLOS ONE 2012)。さらにRRM1ドメインの特定のβシート構造がストレス下のTDP-43の異常会合に寄与することを明らかにし、RRM1ドメインの異常会合がTDP-43プロテイノパチーの多くの細胞病理学的再現することから、TDP-43病原性獲得の分子基盤である可能性を指摘し国際学術誌に報告した(Shodai et al, JBC 2013)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動ニューロン特異的プロテアソーム欠損マウスは孤発性ALSの臨床症状と病理所見を忠実に再現した初めてのモデルである。プロテアソームによる蛋白質分解異常が孤発性ALSの原因に関与していることを示す強い実験的証拠を提出したことで、今後孤発性ALSの病因解明が進むものと考えている。 TDP-43の病原構造への変換に関わる局所分子構造異常を明らかにし、病原性TDP-43を特異的に認識する抗体の開発に成功し、国際学術誌に報告した。さらにこの構造解析結果に基づいてin vitroのTDP-43プロテイノパチーモデルを確立し、今後ハイスループットスクリーニングやあらたなin vivoモデルへの応用性を広げた。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 運動ニューロン特異的プロテアソーム欠損マウスの脊髄全体、および運動ニューロンのみをレーザーマイクロダイセクションで切り取ったものから、RNAを抽出し、マイクロアレイによる解析を行う。また、その結果をヒトALS剖検例のマイクロアレイの結果と比較検討し、ヒトとマウスで共通して運動ニューロン変性のバイオマーカーになりうる分子を同定する。 2) TDP-43の過剰発現によって発現低下するPSD蛋白質の機能低下による神経細胞の異常現象について細胞生物学的に、さらに動物実験によって検討する。さらに、TDP-43のモノクロナール抗体のscFvを構築し細胞内抗体による細胞内TDP-43の分子標的治療を開発する。
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[Journal Article] Aberrant assembly of RNA-recognition motif 1 links to pathogenic conversion of TAR DNA-binding protein-43 (TDP-43)2013
Author(s)
Shodai A, Morimura T, Ido A, Uchida T, Ayaki T, Takahashi R, Kitazawa S, Suzuki S, Shirouzu M, Kigawa T, Muto Y, Yokoyama S, Takahashi R, Kitahara R, Ito H, Fujiwara N, Urushitani M
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 288(21)
Pages: 14886-14905
DOI
Peer Reviewed
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