2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Brain Environment |
Project/Area Number |
23111005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
内匠 透 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00222092)
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳・神経 / 神経科学 / 遺伝子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
我々は、これまでにRNA結合タンパク質TLSが神経細胞において核のみならず樹状突起及びスパインに存在し、スパインの形態形成に重要なこと、グルタミン酸シグナル依存的に樹状突起シャフトからスパインに移行すること、またスパイン形態に関与するmRNAを運搬し、それらの輸送にはアクチンモーターであるmyosin-Vaが関与することなどを明らかにしてきた。2009年にTLS/FUSが筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子であることが報告された。さらに我々は、新たに同定したALS原因遺伝子optineurin(OPTN)の研究を通じ、これらのALS原因遺伝子に共通の結合タンパク質、あるいはパスウェイの存在を想定している。本研究では、TLSを中心に家族性ALS病因遺伝子の神経細胞における機能を解析し、またTLS関連(結合)タンパク質を体系的に同定することにより、RNAプロセシングや細胞内輸送と神経変性の関係を明らかにすることを目的とする。さらに家族性ALS変異体を発現するモデルマウスを用いて、脳内環境としてのグリア細胞等、非神経細胞との関連を明らかにすることにより、神経変性機構のあらたなパラダイムを提唱する。 ALS変異は、TLSのC末端13残基にミスセンス変異が集中している。TLSのC末端の変異に着目し、TLSのC末端25残基をGal4DNA結合ドメインと融合してベイトとし、酵母ツーハイブリッド法を用い、マウス脳cDNAライブラリーの3百万クローンを検索した。その結果、結合蛋白質として十数個の候補遺伝子を得た。候補遺伝子には、(A)RNP complex分子、(B)シナプス小胞を運ぶ軸索輸送にかかわる分子、(C)ミエリン鞘形成を制御する分子などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TLS結合タンパク質を新規に同定して、現在その機能解析を行っている。動物モデルに関しても、作製が進行中であり、予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度同定した分子を特にTLS変異の観点から機能解析し、動物モデルの完成に向けて研究を加速する。
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Research Products
(6 results)