2013 Fiscal Year Annual Research Report
イネ属胚乳における父・母ゲノムのエピジェネティックな調和と軋轢の分子機構
Project Area | Correlative gene system: establishing next-generation genetics |
Project/Area Number |
23113003
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
木下 哲 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 客員教授 (60342630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河邊 昭 京都産業大学, 総合生命科学部, 准教授 (10582405)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 生殖隔離 / 胚乳 |
Research Abstract |
哺乳動物と被子植物においては、胚への栄養供給を行う組織 (胎盤と胚乳) において興味深い収斂したエピジェネティックな制御機構が存在する。これまでの知見から、雌・雄生殖細胞におけるエピジェネティックな情報制御により、オス由来ゲノムは胎盤や胚乳の発生に正 (過成長) に働き、メス由来ゲノムは負(矮小化)に働くと理解されている。このようなゲノムの機能差は、オス由来とメス由来のそれぞれのゲノム特異的に発現するインプリント遺伝子によってもたらされるという仮説が最も有力である。本研究では、Oryza属ならびにアブラナ科を用いて、胚乳発生における調和と軋轢の実体の解明と、それを担いうる遺伝子の進化に関して考察することを目的としている。これまでの解析の結果、種間、倍数体間交雑ともに、胚乳発生に関しては、掛け合わせの組み合わせやオス・メスの向きに応じて、胚乳発生進行の亢進あるいは、遅延する共通性が見られた。一方で、胚乳の核分裂頻度は、種間交雑のどの組みあわせでも有意差はないが、倍数体交雑では有意に変化する結果を得た。種間交雑と倍数体間交雑では、胚乳の表現型においては収斂する一般則があるが、その分子機構は異なっていることが明らかとなった(Sekine D, et al, Plant J. 2013)。また、さらなるイネの倍数体間交雑の詳細な解析の結果、新しいタイプの生殖隔離機構が明らかになりつつある。母親2倍体と父親4倍体の交雑の結果、あるステージから母親ゲノムが脱落して父親ゲノムのみで発生が進行するandrogenesis様の発生が進んでいると理解されるデータが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イネを材料に当初の目的の一つである、種間交雑と倍数体間交雑の差異をい見いだすことができ、その成果を発表した。また、倍数体間交雑の詳細な解析により、新しいタイプの生殖隔離機構と考えられる現象を観察した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに見いだされた知見を元に、種間交雑時の胚乳における生殖隔離に関する作業仮説を検証する。そのために、野生イネ由来のインプリント遺伝子領域をクローニングし、日本晴への形質転換などの準備実験を進める。
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Research Products
(3 results)