2012 Fiscal Year Annual Research Report
Population genomics of plant host-pathogen interactions
Project Area | Correlative gene system: establishing next-generation genetics |
Project/Area Number |
23113009
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
寺内 良平 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 研究部長 (50236981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 宏昌 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 主任研究員 (20414336)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 集団遺伝学 / 全ゲノム解析 / イネ / いもち病菌 / シーケンス / 耐病性 / 共進化 / 病原菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿主-病原菌間の相互作用は強力であり、生物進化の原動力の一つと言われている。こうした相互作用は、関連遺伝子およびその周辺のゲノムのDNA配列上に特徴的な痕跡を残す。本課題では、植物とその病原菌・寄生者の共進化で生じる強い自然選択がゲノムに残した痕跡を同定して、選択の働いた遺伝子を見いだし、その機能を解明することに焦点を当てる。平成24度は、以下の研究を実施した。 1. 全ゲノムバルクシーケンスによる選択を受けた遺伝子領域の同定: 全ゲノム解析により、選択を受けたゲノム領域を解明する手法「QTL-seq法」を開発した。イネを例にして、圃場抵抗性の優れる系統と劣る系統の交配後の分離集団(Recombinant Inbred Lines)において、圃場抵抗性の優れる子孫系統と劣る子孫系統のDNAをバルクして全ゲノムシーケンスすることにより、圃場抵抗性を支配する遺伝子の座上するゲノム領域を同定した。(Takagi et al. 2013, Plant J.)。QTL-seq法は、自然選択や人為選択によりselective sweepを受けたゲノム領域を迅速に同定する一般的な技術と考えられる。今後、本技術を駆使して、生物間相互作用に関わる遺伝子を大規模に同定する。 2. いもち病菌分泌タンパク質の機能解明 : イネいもち病菌の分泌タンパク質の機能解明を進め、非病原力因子AVR-Pikがイネの抵抗性タンパク質Pikと直接結合し、対応する遺伝子がarms raceにより共進化している可能性が高いこと (Kanzaki et al. 2012, Plant J)、MC69タンパク質が感染に必要であること(Saitoh et al. 2012, PLoS Pathogens)などを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の計画に従い、着実に研究を進めている。成果の論文公表も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. いもち病菌の分泌性タンパク質の中からエフェクター候補を同定し、機能解明を進める。 2. 野生生物を材料にして、自然選択の働いたゲノム領域を迅速に同定する。
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