2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Functions of non-coding DNA region for genome integrity |
Project/Area Number |
23114005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中山 潤一 独立行政法人理化学研究所, クロマチン動態研究チーム, チームリーダー (60373338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 眞理子 京都大学, 物質細胞統合システム拠点, 特任准教授 (80437243)
須賀 則之 明星大学, 理工学部, 准教授 (00396219)
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Keywords | ヘテロクロマチン / HP1 / 反復配列 / ヌクレオソーム / rDNA |
Research Abstract |
【1】非コードDNAによるヘテロクロマチン化の解析:染色体に存在する反復配列の維持にヘテロクロマチンがどのように寄与しているのかを解明するため、分裂酵母のセントロメアとrDNA領域に着目し、その動態解析のための実験系の構築を行った。まずセントロメアやrDNAと通常の遺伝子領域との境界領域にNotI制限酵素部位を導入し、それぞれのリピート数を正確にモニターできる系を確立した。実際に分裂酵母株のリピートの長さをPFGEで解析し、rDNAリピートの安定性、動態について解析した。また、幾つかのヘテロクロマチン因子の変異を導入し、実際にrDNAのリピート長が変化することを見出した。今後さらに様々なヘテロクロマチン因子の変異を導入し、ヘテロクロマチンがリピートの維持にどのように関与しているのか解析を進める。 【2】非コードDNAと高次クロマチン化の構造基盤の解明:ヘテロクロマチンの中心因子であるHP1がどのように高次のクロマチン構造形成に寄与しているのか、その分子機構の解明を目指し研究を遂行した。これまでの研究から、哺乳類HP1のサブタイプの一つであるHP1αについて、そのN末端側のリン酸化がメチル化ヒストンH3との結合を促進することを明らかにしている。本年度はまず、H3の末端領域ペプチドとHP1αの変異体等を用いたNMR結合実験を行った。その結果、リン酸化N末端領域とヒストンH3ペプチドの間に直接の相互作用は観測されず、HP1αの末端領域のリン酸化が長距離的な結合構造模索に関与する可能性が示唆された。また、HP1がヌクレオソームに結合する際、リンカーDNAがどのような影響を与えているのかin vivoで解析するため、本年度はリンカーDNAを含むヌクレオソームの再構成を行いその調製を進めた。今後この再構成ヌクレオソームを用いてHP1との結合様式を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は分裂酵母を用いた実験系の確立を進め、またNMRでの予備的な実験結果を得ることができた。HP1とヌクレオソームとの関連についても、解析に必要な再構成ヌクレオソームの調製を終えており、概ね計画通り研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって得られた成果や実験系を踏まえ、申請した研究を継続して進める。研究実施計画で記載したHP1のリン酸化酵素の単離同定については、実験材料の調製に時間がかかっており、来年度に向け効率化を図る予定。
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Research Products
(6 results)