2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Functions of non-coding DNA region for genome integrity |
Project/Area Number |
23114009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加納 純子 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (10323809)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | テロメア / 染色体 / クロマチン / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の線状染色体末端に存在する構造体であるテロメアを中心としたタンパク質機能ネットワークについて解析を行った。特に、分裂酵母テロメア結合タンパク質であるRap1の新規機能を探る研究を行った。 1)Rap1のカゼインキナーゼ2によるリン酸化の生理学的意義の解明:これまでにRap1がCK2によってリン酸化され、そのリン酸化がRap1と核膜タンパク質Bqt4との相互作用に重要であることを示した。リン酸化部位を非リン酸化型であるアラニンに置換したところ、他のテロメア結合タンパク質であるPoz1との相互作用やテロメア近傍におけるgene silencingが異常になっていた。従って、Rap1のCK2によるリン酸化はテロメアの核膜との相互作用および、Poz1との相互作用、すなわちテロメア近傍のクロマチン状態の維持に重要であることがわかった。 2)Rap1と結合する新規タンパク質の機能解析:Dfp1はDNA複製の開始に必須な因子である。Dfp1が結合するRap1のサイトをyeast two-hybridアッセイによって決定したところ、Poz1と相互作用するドメインとオーバラップしていた。現在、この領域に変異を導入してDNA複製にどのような影響が出るかを調べている。また、Rip6はまだ解析されていない新規なタンパク質である。Rip6を破壊すると、Rap1やPoz1のタンパク質量が激減したことから、Rip6はこれらのタンパク質の安定性に重要であることがわかった。また、同じくRap1のタンパク質安定性に重要であることが報告されているCay1との二重欠損株を作製したところ、さらに2つのタンパク質量が減少したことから、Rip6とCay1は全く同じ経路ではないが、非常に近くで機能していることが示唆された。現在、さらに詳しく解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべてのプロジェクトについて順調に進んでおり、いずれも近いうちに論文にまとめられる状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
CK2によるRap1のリン酸化に関しては、Poz1との相互作用の意義をさらに詳しく明らかにする。また、Dfp1とRap1の相互作用に関しては、DNA複製のどの時点で相互作用し、どのような役割を果たしているのかを明らかにする。さらに、Rip6に関しては、どのような仕組みでRap1やPoz1の安定性に関わるのかを明らかにしていく。
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Research Products
(11 results)