2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内分子数を定数解析するデバイスの開発-少数生体分子の計数化技術-
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
23115002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野地 博行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00343111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 朋信 理化学研究所, 生命システム研究センター, チームリーダー (00375205)
市村 垂生 理化学研究所, 先端バイオイメージング研究チーム, チームリーダー (50600748)
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Keywords | ELISA / 超解像 / マイクロデバイス / 1分子検出 |
Research Abstract |
1細胞デジタルELISA 昨年度の研究の結果、前立腺腫瘍マーカーであるPSAを標的としたデジタルELISAを行い、その反応条件の最適化を行ったところ、検出下限値がPSA濃度で56aMに達することが分かった。これは、通常のELISA法に比べ10万倍感度が向上している。しかしながら、biotin-avidinを用いたモデル反応系ではzMのオーダーに達しており、10倍~100倍程度の感度向上が見込まれる。そこで本年度は、さらなる検出感度向上を目指し、検出下限値の向上に取り組む。具体的には、最適な抗体の探索や、非特異的吸着による擬陽性シグナルの排除を目的とした表面修飾法の検討を行う。さらに、より簡単な検出システムの開発を目指し、CCD素子とデジタルELISAデバイスを直接接合したデバイスの開発にも取り組む。 高速超解像蛍光顕微鏡の開発 本研究は、細胞内における分子を網羅的に観察することを目的として、目標値として30nm/30msを設定し、様々な方面からの超解像技術の開発を行う。方法論に捕らわれることなく、目標を達成しうるあらゆる開発手段を用いる。本年度も引き続き、以下の2種類の開発を試みる。波長分離型超解像法:我々がすでに開発した瞳変調超解像法による120nm/2msでの一分子計測法は、すでに確立できている。さらに、蛍光揺らぎによる超解像を合わせることで、85nm20msの時空間分解能は可能である。分子を標識する蛍光分子の色をN色にすることで、各色における標識濃度を減らすことができる。すなわち、検出分解能は向上する。その向上は、√N倍である。例えば、10色の蛍光色素で染色すれば、理論計算上27nmまで空間分解能が向上する。ベクトルビームによる高速超解像:照射するレーザーの位相を空間的に変調することで、回折限界を超える点光源による照射が可能である。上記は、光軸方向の分解能が低下することが問題とされているが、全反射証明法を応用することにより解決される。MEMSミラーを用いて、多数のベクトルビームを作成し、一斉操作を行うことで、空間分解能、時間分解能共に向上する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、研究開始年度であったがデジタルELISAの感度を大きく向上させることに成功した事で、当初の計画より大きく進展していると考える。また、その他の項目も計画通り遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画より進展していることから、今後も計画に変更無く遂行する。また、当初計画より進展した部分に関しては計画を前倒しておこなう。
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