2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現の少数性生物学-少数分子による情報探索原理の解明-
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
23115005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
前島 一博 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00392118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 雄一 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (90556276)
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Keywords | 生物物理 / 生体生命情報学 / ゲノム |
Research Abstract |
ゲノムの足場の動きの解析 -個々のヌクレオソームと線維の動き- 1.低発現PA-GFP-ヒストンH4細胞の作製 (前島) ヒト細胞の中には 約3x107個にもおよぶヌクレオソームが存在する。ヌクレオソーム1分子をイメージングし、ゲノムの足場の動きを調べるためには、ごく少数のヌクレオソームのみを蛍光ラベルしなければならない。この目的のため、代表者らはPA-GFP (photo-activated GFP)でラベルされたヒストンH4を用い、細胞内で極めて少量発現させ、安定発現細胞を単離した。PA-GFPは、通常レーザー刺激によって活性化し、蛍光を持つようになるが、代表者らは、極少数のPA-GFPがレーザー無しに自然活性化することを見出した。このため、少数のヌクレオソームを蛍光ラベルして観察できた。 2.PA-GFP-H4発現細胞でのヌクレオソーム1分子観察 (前島, 谷口) ヌクレオソーム1分子観察のため、斜光照明のシステム (Tokunaga et al., Nat. Methods, 2008)を、谷口らの協力を得て構築した。最初にホルマリン固定したPA-GFP-H4安定発現細胞を用いて、観察条件設定をおこなった。次に生細胞でビデオレート観察をおこない、1個1個のヌクレオソームの動きをトラッキングし、データを集めた。さらに、谷口らは核内タンパク質(ヌクレオソーム・転写因子等)1分子のダイナミクスの高精度解析を行うための新しいイメージング装置の開発を開始した。現段階では、原核生物内におけるDNA結合タンパク質の1分子レベルでの可視化に成功している。目標である真核・動物細胞内での1分子レベルでのイメージングに向けて、現在、測定システムに改良を加えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノムの足場の動きの解析である個々のヌクレオソームと線維の動きを捉えるため、低発現PA-GFP-ヒストンH4コンストラクトの作製が終了し、PA-GFP-H4 安定発現細胞の作製と観察に成功しているため。また顕微鏡システムの改良も、順調におこなわれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した顕微鏡システムを用いて、生細胞でビデオレート観察をおこない、1個1個のヌクレオソームの動きをトラッキングし、データを集める。また、観察データの解析をPolyParticleTracker (Phys. Biol., 2008) を利用し、得られたヌクレオソームのシグナル中心をトラッキング (追跡)し、ヌクレオソームの平均二乗移動距離 MSD を算出する。この計算を多数のヌクレオソームに対しておこなうことにより、動きを再構築し、動く範囲、拡散定数を求める。また、ヌクレオソーム線維の大きな動きは、LacOリピート(~5kb)をゲノム中に挿入して、LacI-EGFPを発現させた細胞を用いて調べ、個々のヌクレオソームの動きと比較する。
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Research Products
(17 results)