2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
23115103
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
山中 章弘 生理学研究所, 細胞器官研究系, 准教授 (60323292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 琢磨 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教 (70545798)
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Keywords | 睡眠覚醒 / 神経回路 / 遺伝子改変マウス / オプトジェネティクス / オレキシン / パッチクランプ / チャネルロドプシン / ハロロドプシン |
Research Abstract |
ほとんどの高次脳機能は、脳が覚醒しているときにのみ発揮される。そのため覚醒を導く神経機構は重要であるものの、覚醒が無数の神経活動の結果生じる極めて複雑で高度な現象のため、未だにその仕組みの解明に至っていない。近年の研究により、視床下部に存在するオレキシンを産生する神経(オレキシン神経)が特異的に脱落すると、覚醒を維持できずに何をしていても眠ってしまうナルコレプシーという睡眠障害になることから、オレキシン神経細胞が覚醒に極めて重要な役割を担っていることが判明した。そこで、本研究ではオレキシン神経を中心とした解析によって脳が覚醒する神経機構の解明を試みている。今年度は研究に必要な遺伝子改変マウスの作成を行った。組織化学的に正しく発現が認められることと、正しく発現遺伝子が機能することを同定した。これによって、オレキシン神経細胞特異的かつ時期特異的な運命制御が可能となり、新しいナルコレプシーモデルマウスとして使用できることが明らかとなった。このマウスでは、テトラサイクリン遺伝子発現誘導システムを用いて、ドキシサイクリンの有無によって遺伝子発現を制御することが可能である。今後はこのマウスを使用して、当初の研究予定である、オレキシン神経特異的脱落とナルコレプシー症状発現との相関および、脱落後の神経回路の自己書き換えについても検討していく。それに向けて現在睡眠解析と行動解析および、摂食量・体重などの代謝測定を開始しており、w神経の生理的な役割について、統合的な解析の予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた遺伝子改変マウスの作成が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しているため、当初予定通り実験計画を遂行する。
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Research Products
(13 results)